自公立「大連立」で浮上する、悪夢の消費税増税シナリオ
こうした、いわば“出来レース”のような経緯を見ると、親交のある石破首相と野田代表、国対族として信頼関係を築いた森山幹事長、安住衆院予算委員長といった人間関係のなせるわざという趣がある。
さらには、今後の展開として、自公と立憲が大連立を組む可能性が囁かれるのも無理からぬことという気さえしてくる。
もし、そうなった場合、懸念されるのは消費税増税である。「税と社会保障の一体改革」のさいと同様、基礎年金底上げの財源として消費税を充てる可能性がきわめて濃厚だ。
「増税大連立」ということになれば、国民にとっては最悪である。立憲の将来のためにも、そうならないよう願いたい。自公と野党第一党が組むという大政翼賛的な体制が民主主義を危うくするのはもちろんだが、野党の存在価値を低下させ、衰退につながる可能性が高い。
昔、自公と民主党が「大連立」を画策したことがある。2007年の参院選で自公が参院の過半数を失い、衆参ねじれ国会が発生、政権運営が難しくなったのがその背景だ。福田康夫首相と民主党・小沢一郎代表が2度にわたって党首会談を実施。自公・民主による大連立政権構想が話し合われた。
小沢代表は党の役員会に連立構想を持ち帰ったが、多数の幹部が反対したため、やむなく福田首相に断りの電話を入れた。その時、反対の急先鋒だったのが広報委員長・野田佳彦氏である。
その野田氏がよもや、自公との大連立に本気だとは思えないが、増税路線まっしぐらの財務省が水面下で動いている気配もあり、不気味であるには違いない。(次ページに続く)









