AIが教育の風景を根本から変えようとしているようです。メルマガ『在米14年&海外販路コンサルタント・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』の著者・大澤裕さんは今回、AIとともに学ぶ時代、教育関係者や保護者、学生自身がどのように向き合うべきかを考えています。
AIによって根本的に変わる教育
今回はAIの話題です。
ChatGPTに代表されるAIツールが教育をどう変えるか? 興味があるところです。
私はMBA学生に教えてもいますが、同僚教員とAI活用の是非についてよく議論になります。AIにレポートを書かせる学生がいるからです。
米国の大学はどのようにしているのでしょうか。
カリフォルニア州立大学は23のキャンパスに在籍する46万人以上の学生にChatGPTを提供すると発表しました。米国で最大のAIを活用した大学となることを目指しているそうです。
AIツール側も教育分野へ力をいれています。OpenAIは大学向けの製品「ChatGPT Edu」を発表しています。
本日、ご紹介するのはニューヨークタイムズ6月7日の記事です。
記事抜粋
「キャンパスへようこそ。これがあなたの ChatGPT です。」
ChatGPT の開発元である OpenAI は、キャンパスライフのあらゆる面に人工知能ツールを組み込むことで、大学教育を改革する計画を立てている。
同社の戦略が成功すれば、大学は学生に AI アシスタントを提供し、オリエンテーションから卒業まで指導や個別指導を行うことになる。
教授は、各授業に合わせてカスタマイズされた AI 学習ボットを提供する。
就職課は、学生が就職の面接を練習するための採用担当者チャットボットを提供する。
OpenAI は、この営業戦略を「AIネイティブ大学」と呼んでいる。
「私たちのビジョンは、やがて AI が高等教育の中核インフラの一部になることだ」と、OpenAI の教育担当副社長、リア・ベルスキー氏はインタビューで述べている。
まもなく「キャンパスに来るすべての学生は、自分専用の AI アカウントにアクセスできるようになる」と彼女は述べた。
解説
AI活用に積極的なのはカリフォルニア州立大学だけではありません。
デューク大学は学生、教職員にChatGPTの無制限アクセスを提供開始しました。またデューク大学が開発したAIツールを搭載した大学プラットフォーム「DukeGPT」を導入しました。
米国の大学は、一斉にAIツールを活用する方向に動き始めています。学生は卒業すれば、当然、職場でAIツールを最大限に活用するでしょう。
これは、善悪の問題ではありません。
止められない流れです。
そしてAI活用において、重要なのは「問いを見つける能力」です。
日本の教育では「問い」は与えられます。
一流大学に入れるのは、暗記または解き方を憶える能力が優れた学生です。
教育すべき方向性にギャップがあります。
どうしたらよいか? 走りながら考えるしかありません。
「今までどおり、前例どおりで行きましょう」では立ち行きません。
日本中の教育機関が問われています。
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