ホンマでっか池田先生が家庭菜園でキュウリとナス作りをやめてしまった理由

 

ナスは相性が悪く、大抵は硬い石ナスのようになってしまうので、もう作らない。ものの本には受粉不良が原因と書いてあるので、花粉を媒介する昆虫が減少したせいかもしれない。昆虫にとっては猛毒のネオニコチノイドを多用しているのが原因だと思う。害虫退治のための農薬は同時に益虫も殺すので、さじ加減が難しい。ネオニコチノイドは昆虫の神経伝達を阻害するとされているが、昆虫だけでなく節足動物全般を殺戮し、成長期の子供の脳にも作用して発達障害の原因になるとも言われており、速やかに禁止すべきだと思う。アメリカのかなりの州やEUでは基本的に使用禁止で、こんなに無闇に使っているのは日本だけだ。

他にも、キヌサヤやエダマメやカボチャなども作ってみたが、あまりうまくいかないので、もう作らない。キヌサヤはうどん粉病にやられて悲惨になるし、エダマメはサルに食べられるし、カボチャは木の上に上って小さな天空のカボチャになって、見た目は面白いが、食べられるほど大きくならなかった。

というわけで、今年は、ミニトマトとガブリエルという大きな実の成るパプリカだけを作った。連休の少し前にホームセンターに行ってガブリエルの苗を4つと「天使のほっぺ」という名のミニトマトの苗を1つ買った。

値段はよく覚えていないが、前者は1つ500円くらい、後者が300円くらいだったかしら。去年、沢山実が成った「千果(ずっとセンカと読むとばかり思っていたがチカと読むらしい)」と「アイコ」の苗が欲しかったのだが、ホームセンターには売ってなくて、去年、売っていた「道の駅八王子滝山」に行って見たら接ぎ木苗が1つ310円で売っていたので、6つずつ買ってきた。接ぎ木苗としてはこの値段は安い。苗に水をかけていたお兄さんにトマトの苗は背が低いのを選んだ方がいいよと教わった。背が高いほうが元気だと思うのは素人の考えらしい。プロはよく知っていると感心した。株間隔を70cmくらいにして庭に植えた。苗を植える時は40cmくらいでも十分な気がするのだけれども、大きくなってくると、株間隔が70cmくらいでも狭い気がしてくる。

去年までは教科書通りに1本仕立てで育てていたのだけれども、今年は欲張って2本仕立てにしてみた。主軸の最初の花房のすぐ下から出てくる芽を伸ばして2本仕立てにするのだ。それ以外の芽は全部見つけ次第取るのが肝心で、ちょっとさぼるとすぐに芽が伸びて花が咲いていたりするので、油断がならない。トマトは軸が細いほうが甘い。軸が太すぎると、葉が茂りすぎて実が水っぽくなる。軸が太くなる原因は窒素肥料のやりすぎだと、言われているが、同じ品種で同じように肥料をやっても、隣は軸が太くてその隣は細いこともあるので、本当の理由はよくわからない。個体差があるのかもしれない。

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