メーカーの新製品発表会の様相は、今やメディアの記者や関係者だけでなく、YouTuber、インフルエンサー、ファンなどが集う場になっています。メルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』の著者でケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川さんは自身のメルマガの中で、情報発信の拠点からブランド体験の場へと意味合いを変えつつある新商品発表会について語っています。
メーカーの新製品発表会はここ数年で様変わり—-メディアとインフルエンサー、ファンが入り乱れる構造に
メーカーの新製品発表会は数年前に比べて大きく様変わりしている。
スマートフォンの新製品発表会と言えば、メディアとパートナーと呼ばれるキャリアや販売店、関係者が参加するものであった。
今回のGalaxy Unpackedでは、実に多様な人たちが参加していた。
まずはサムスン電子関係者、キャリア関係者、販売店といったパートナーだ。それにメディアが加わる。
さらに今回はYouTuberが参加していた。ただ、テック系のYouTuberはメディアとしてパスが発行されている。一方で、YouTuberやInstagramなどで「ライフスタイル系」として発信している人たちにはインフルエンサーというバッチが渡されていた。
特に縦型折りたたみのGalaxy Z Flip7はZ世代を中心とした若者に売っていきたい。iPhoneからの乗り換えを狙っているため、ライフスタイル系インフルエンサーに声がかかるようだ。
また、最近はサムスン電子だけでなく、どのメーカーでも「ファン」という、サポーター的な集団が当たり前のように参加するようになった。長年、使っている熱狂的なユーザーを集めるというものだ。どうやら誰でも参加できるわけではなく、実績など資格が問われるもののようだ。ファンたちには同じTシャツを着せられ、発表会終了後にはなぜかステージでみんなで記念写真を撮るのが、どのメーカーでもしきたりとなっている。
発表会はすべての人が参加するが、終了後あるいは翌日のメニューは異なる。サムスン電子ではメディアに対してはフォーラムというAIやヘルスケアに関するパネルディスカッションを取材する機会を与えた。テック系YouTuberやライフスタイル系インフルエンサーは、ブルックリンらしくウォールペインティングなどさせられた。また、新製品を渡されて、ニューヨークの街で撮影したり、その日のうちに作ったコンテンツを競わされたりしたようだ。
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