問題点
問題は、広陵高校と高野連(高等学校野球連盟)の処分があまりに軽かったということだろう。特に広陵高校は、暴力事件は単発だからとこの事件を県に報告していない。
いじめ防止対策推進法においては、専門家でなくても誰が見ても「重大事態いじめ」に当たるのだ。
重大事態いじめは、法28条に規定されており、重大な被害があるとされる場合に適用される。1号と2号があり、1号は「いじめにより当該学校に在籍する児童等の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき」、2号は「いじめにより当該学校に在籍する児童等が相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めるとき」とされている。
つまり、被害生徒が学校をやめている事実は、2号事案となり、いじめの被害状況は1号事案発生と評価できるから、この件は、管轄する県に報告しなければならない「重大事態いじめ」であるのだ。
一方で、広陵高等学校学則によれば、34条懲戒において「学校の秩序を乱し、その他生徒としての本分に反した者」とあり、停学及び退学の処分を校長が行うことができるとある。
高校などではこうした規定が校則に多く見受けられるが、基準として文科省は、「いじめや暴力行為は学校の秩序を破壊し、他の児童生徒の学習環境を脅かす重大な問題行動と位置づけ」ており、毅然とした対応が求められるとしている。
また、「学校の秩序を乱す」行為は大きく4つに分類されており、「他の生徒に対する暴力行為(傷害、威嚇、金品の強奪など)」「継続的ないじめ」「心身の安全を脅かす行為」「授業妨害など教育活動の正常な実施を妨げる行為」となっている。
現状では校長の裁量権が強いため、その考えに委ねられるところがあるが、広陵高校において行われた加害生徒への懲戒は、謹慎処分のみであったという。
高野連に関しても、学校に厳重注意、加害生徒は1か月の対外試合の出場停止であったということだから、出場停止や資格停止を喰らった他事案よりだいぶ軽い処分であった。
また、世間的な批判では、甲子園大会の主催の朝日新聞や後援の毎日新聞が報じなかったと批判が集中した。他にも高野連の幹部に広陵高校の校長がいることや広陵高校の野球部は監督一家が寮母やコーチなどをやっていて取り仕切っているなども批判されている。
また、高野連が、SNS上の投稿について誹謗中傷については法的措置も辞さないと強気に出ていることも、脅迫しているのかと大炎上を起こしている。
関係者に話を聞いてみると、言葉が足りなかったようで、加害生徒とされる個人の情報や写真の晒し行為が行われていることを危惧しての事であったようだが、こうしたことは切り取られたり、さらなる炎上をすることがあるから、彼らもよくよく注意すべきであろう。
類似別件も発覚
さらに問題は続く。
広陵高校が被害側に提示した報告書と高野連への報告書が異なるということが発覚している。高校側は被害側へは未完成の中間報告で、高野連への報告書が完成版だとしているが、相当無理がある言い訳だと言われてしまうだろう。
また、この問題となった件は、2025年1月の事件についての事であるが、この問題が大きく報じられるなどしてから、さらに別件が浮上したのだ。
別件もほぼ同一の被害の様子で、こちらは、現在調査中なのだという。
他にも未確認であるが、同様類似のいじめ事件が続々と出てきており、親交のあるライターによれば、週刊誌のタレコミ窓口には、かなり確度の高い、詳細な被害があったというメールが殺到しているというのだ。
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