アメリカ・ファースト政策が米国を殺す。トランプ政権の致命的な大誤算

 

4. トランプ政策への警鐘

トランプの政策は、短期的な政治的勝利と支持基盤の強化を優先するが、以下の理由から米国と世界に深刻なリスクをもたらす:

経済的混乱:

関税によるインフレとサプライチェーン混乱は、消費者と企業の負担を増大させ、米国の経済覇権を自ら弱める。

習近平の香港統制が金融ハブの地位を損なったように、トランプの保護主義は、米国のビジネス中心地としての魅力を低下させる。

地政学的孤立:

同盟国との関係悪化と中国の影響力拡大は、米国のリーダーシップを弱め、習近平の多極化戦略を助長する。台湾やウクライナ問題での不確実性は、地域の不安定化を招く。

社会的分断:

高圧的リーダーシップは、国内の結束を損ない、民主的価値を侵食する。

米国の社会的多様性とイノベーション力は、長期的な競争力の基盤だが、トランプの政策はこれを危うくする。

5. 結論

トランプと習近平の政策は、不確実性、高圧的姿勢、協調性の欠如を通じて、国際的信頼を損なう共通点を持つ。

習近平の香港統制が自由と自治を奪い、国際金融ハブとしての地位を弱めたように、トランプの保護主義と孤立主義は、米国の経済的・地政学的リーダーシップを損なうリスクを孕む。

米国の民主的制度と経済規模は、香港のような急激な崩壊を防ぐが、長期的な影響は深刻である。

日本を含む同盟国は、トランプの不確実性に備え、経済的・地政学的多元化を進める必要がある。

トランプ政権の政策は、短期的な「勝利」を追求するあまり、米国の長期的な利益と価値を犠牲にする危険性がある。

今後、議会や国際社会のチェック機能が、トランプの衝動的決定を抑制できるかが、米国の未来を左右するだろう。

■編集後記「締めの都々逸」

「弱い犬ほど キャンキャン吠える 静かに見つめる 強い犬」

関税を言い出してからのトランプを見ていると、わざと米国経済を弱体化させているとしか思えない。「あの国から関税を取ってやる」と言ってますけど、関税を払うのは米国の輸入業者であり、最終的に負担するのは米国の消費者ですよね。つまり、悪代官のように自国の国民から重税を徴収しているだけです。

それで米国が豊かになると言われてもねー、と思います。

カネも人もビジネスも、米国、中国から逃げています。日本は、おもてなしの心で頑張りましょう。(坂口昌章)

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