車の中に冷蔵庫がある? 中国の日産「N7」が象徴する「車内家電化」の波は日本にもやって来るのか

 

多様な製品形態の共存

中国では市場に多様な製品形態が共存している。

まずは標準装備だ。まだまだグレードには依存するが、Liの他、ファーウェイ鴻蒙智行(HIMA)など、30万元以上のNEVにはもはや必須アイテムになっている。

車内インテリアに溶け込み、静音性と温度制御に優れる。車載コンソールやスマホアプリと連動し、走行中も温度設定やモード切替が可能だ。

次いでメーカー純正オプションで、購入時に選択するタイプであり、内装や電源系統との相性が良い。

他にも納車後に純正または社外品を取り付ける後付け型では、容量や価格の選択肢が広い。

また、ポータブル型も豊富で、シガーソケットやUSB給電で利用でき、車外に持ち出してアウトドアや室内でも使える。

EV航続への影響は?

ユーザーの声からは、用途に応じて形態を使い分ける様子がうかがえる。

「普段は後席足元に置く12リットルの半導体式を使い、長距離旅行では後付けの18リットル圧縮機式を持参」「家でも使えるポータブルを選び、車とリビングで兼用している」といった具体的な体験談が多い。

もっとも、課題もある。圧縮機式では「EVの航続距離が短くなる」「駐車中に電力を消費する」との懸念があり、SUVでは「15リットル以上の大容量モデルはスペースを圧迫する」との声もある。

こうした不安を解消するため、省エネ型のコンプレッサーや低消費電力の半導体ハイブリッド、モジュール式で容量を変えられる新製品が次々に登場している。

トレンドと多様性が強み

総じて、中国の車載温冷庫市場は冷蔵・冷凍機能と保温・加熱機能を一体化し、EV普及、アウトドア人気、家庭志向、健康志向という消費トレンドを的確につかんでいる。

標準装備、オプション、後付け、ポータブルと多様な選択肢が整い、ユーザーは自らの生活スタイルに応じて最適な形を選びやすい。

日本ではまだ珍しい装備だが、これらの背景を踏まえると、今後は日本市場でもアウトドアや子育て層を中心に注目が高まる可能性がある。

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出典: https://news.qq.com/rain/a/20250826A06KG800?utm_source=chatgpt.com&suid=&media_id=
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