この一言で、お客様は「自分の言葉を理解してもらえた」と感じる。
もちろん、「鉄骨は高い」という事実そのものに同意しているのではない。
あくまで「お客様がそう考えていることを理解しました」というスタンスということ。
こういった“一度認める”というワンクッションを置くことで、相手は安心する。
お客様は「この人は私の話をちゃんと聞いてくれている」と思うようになる。
すると、その後でこちらが事実を伝えた際“耳を傾けてもらえる確率”が格段に上がる。不本意だとしても一度お客様の意見を認めたほうがうまくいく。
営業をしていてつくづく感じるのは「お客様は正しい情報を求めているわけではない」ということ。
多くのお客様が求めているのは「自分のことを理解された」と感じることである。
家族や友人との会話を思い出してほしい。
悩みを打ち明けた時、相談した相手から「そんなことで悩んでどうする。こう行動したらいいに決まっている」といきなり正論や解決策を突きつけたらどうだろう?
どんなにいいアドバイスでも「なんかイラっとくる」と感じるものだ。
それよりも、まず「大変だったね、わかるよ」と共感してもらえるほうが何倍も心は落ち着く。
営業の場面も同じ。
お客様は「事実を知りたい」よりも「自分の話を理解して欲しい、聞いて欲しい」と思っている。
だからこそ、「なるほど、よくわかります」という一言が、商談の流れを良くする。
商談中のお客様から「菊原さんの建物の構造は地震に弱いんですよね」と言われたことがある。
これは明らかな誤解だったーーー(『菊原智明の【稼げる人、売れる人に変わる知恵】』2025年9月26日より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)
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