日本銀行が長年抱えてきた「異次元緩和の副産物」であるETFの巨額保有。時価70兆円にも及ぶ株式を抱え込んだ状態は、市場の健全性をゆがめる大きな要因となっています。今回のメルマガ『週刊 Life is beautiful』では著名エンジニアの中島聡さんが、この巨額のETFをどう有効に活用すればよいのかについてアイデアを語っています。
日銀の保有するETFの使い方
先日、日銀がようやく、保有するETF(上場投資信託)の売却を開始することを発表しました(参照:日銀 ETF売却開始を発表 植田総裁「全売却に100年以上かかる」)。
本来、日銀は株式を保有するような組織ではありませんが、第二次安倍政権時代の黒田総裁のもとで始まった「異次元金融緩和」の一環として、日銀が株価を買い支える役割を果たした結果、時価で70兆円という莫大な額の株式を保有するようになってしまったのです。
日銀がETFを通して大量の株式を保有した状態は、コーポレート・ガバナンス(株主による圧力を利用した企業の健全な経営)の面で大きなマイナスであり、資本主義を大きく歪めたものであり、早急に解消すべきものです。
しかし、(東証プライムの時価総額の7%にあたる)70兆円もの株式を一度に売却すれば、株式市場の暴落は避けられないため、今回は、日銀は年間3300億円程度の規模で少しずつ売り出すと宣言したのです。
以前にこのメルマガで、この問題と(日本にとって一番大きな問題である)少子高齢化の問題を同時に解決する手段を提案したことがあるので、繰り返します(ただし、5番目は今回新しく追加した項目)。
これから生まれてくる子供全員に、時価1000万円分のETFをプレゼント。
子供が18歳になるまでは親が管理。
子供が18歳になる前に売却した場合、売却分は親の収入として課税。
18歳を超えて子供が売却した場合、値上がり分に対してのみキャピタルゲイン課税。
子供がこの資金を使って起業した場合、キャピタルゲイン課税は先送り(会社の売却、もしくは株の売却まで)。
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