「下駄の雪」と揶揄されながらも26年の長きに渡り自民党を支えてきたものの、ついに連立関係を解消した公明党。その裏には、高市早苗新総裁の「公明軽視」があったとの見方が大勢を占めています。今回のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』ではジャーナリストの高野孟さんが、公明党が長年の連立関係を断ち切るに至った経緯を整理し解説。さらにこの「連立崩壊」で自民党が失う議席数及び落選危機に陥る議員を予測しています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/メルマガ原題:公明党の連立離脱で議席を失いそうな衆議院議員の一覧/高市の軽率が招いた自民党没落の加速
プロフィール:高野孟(たかの・はじめ)
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。
公明党の連立離脱で議席を失いそうな衆議院議員の一覧/高市の軽率が招いた自民党没落の加速
高市早苗自民党総裁は10日の自公党首会談の後、顔を引き攣らせながら「一方的に連立政権からの離脱を伝えられました」と述べた。これについて公明党の斉藤鉄夫代表が「ちょっと意外だ。言葉の使い方としておかしいのではないか」と言ったのはその通りで、高市は一言でいって社会人としての口のきき方を知らない。
斉藤はその会談の席上、政治とカネの問題について曖昧にせず、特に企業・団体献金のあり方では受け皿を政党本部と都道府県組織に限定する規制強化案を受け入れるよう前執行部にも何度も申し入れてきた経緯を説明した上で新執行部の対応を問うたのだが、これまでと同様の「検討する」との答えしか得られなかったので、ついに我慢できなくなって離脱を決断したのであって、それを「一方的」というのは誰が考えてもおかしい。
ただ単に「私は悪くないのよ。先方がいきなりそう言い出してきたんですからね」という自己弁護の言葉でしかない。
さらに彼女は、「自分は悪くない」という印象を与えようとして、「総裁が私でなかったら、このような連立離脱はないのですか」と問うたのに対し、斉藤が「今回の総裁選挙で誰が選ばれていても同じです。これまでの執行部にも何度も申し入れてきた課題だから」と答えたことを明らかにした。
が、これは、誰が総裁になっても同じように政治とカネの問題への姿勢を問いかけて連立離脱の判断をするつもりだったことを言っているだけで、別に彼女の評価に関わる話をしているわけではない。
このように、あらゆる機会を捉えて「自分は悪くない」と言い続けるタイプの人はいるもので、安倍晋三にもその傾向があった。高市は安倍の変なところも引き継いでいるように見える。
しかし私に言わせると「こんなことになった」については、やっぱり、高市さん、「あなたが悪いのよ」。
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