「潰してやる」。東京高専パワハラ自死事件の報告書で触れられなかった加害教員の暴言

 

記者会見では

さて記者会見で、私はご遺族である陽向さんのお父さんの隣にずっといた。

第三者委員会の説明も、高専機構や東京高専の説明も隣で聞いていた。

そしてご遺族の記者会見でもお父さんの隣に座って記者さん達の質問などに補足回答をしたりしていた。

率直に私が感じたことは、今回の第三者委員会のメンバーは業界内で誰もが疑いもなくトップランナーだと言われる専門家で固められていた。ベストメンバーとも言える。

しかし、その中で一人は調査途中で、利害関係人であると言い辞めている。実際に調査対象との関係者であったのだが、学生からの聞き取りなど最も重要なところが全て終わってからの辞任となった。これ自体は、関係者に有利となる情報が流れた恐れもあり、第三者委員会の設置者の問題になろう、極めて残念なことがあった。

また、高専教員Aは学生らに「野村陽向を潰してやる」「学校にいれなくしてやる」と話していたというかなり確度の高い情報があったが、これについては触れられなかった。ハラスメントの申し立てをされた高専教員Aが内心、陽向さんらを逆恨みしているのでは?と考えるのは自然だろう。

それについて第三者委員会は、線引きしているというのは、やはり解せないのだ。

ただし、この調査報告書は、人の心理がどのように動いていくか、その背景や起きた出来事の事実をしっかりとらえていて勉強になった。

一方、ご遺族記者会見においては、高専機構が案内をしていたにもかかわらず、司会者が引き継がれることもなく、さっさと引き上げてしまったことや、高専関係者を含め、誰一人、会場にいなかったし、高専機構も東京高専もの職員等は、会場にだれ一人残ることもなく、一切の手伝いも使い方の説明も案内もなかった。

結局、私と記者さんでマイクを手に取り、記者さんに司会のようなことをしてもらって、記者会見を進めることになった。

こういうことはよくある事ではあるのだが、私は会場に入ってから出るまで、複数人でご遺族関係者を監視するようにしていた様子もあり、あまり良い気はしなかった。

本当に改善できているのだろうか?この対応や様子を見て率直感じた私の感想だ。

どんなに良き計画や指針やガイドラインを作っても、それを使う人がよく理解し、行動に移せなければ、何の意味もないのだ。真の意味で、改善できたという学び舎を作って欲しいものだ。

編集後記

今回は10月5日の記者会見について書きました。

陽向さんは、どの人に聞いても、報告書の中でも、やはり、すごいヤツでした。

仲間思いでしっかり者、優しく頑張り屋で、実力もある。いわゆる、できる子です。

こういう子が世に出たら、間違いなく社会に貢献する働きをしたことでしょう。

可能性の塊ですよ。

それを、潰す高専教員Aのドス黒い何かというのは、許してはならないと思います。

実は、高専教員Aは――(にわかには信じがたい「教員Aの現在」を含む全文は『伝説の探偵』2025年10月23日号に掲載されています。ご興味をお持ちの方は、この機会にぜひご登録ください。初月無料でお読みいただけます)

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image by: Ishimochi, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

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