なぜ高市首相は支持率80%超えを獲得できたのか?保守層をダマして進める「安倍マジック」の恐るべき手口

 

最大の難題は「財政政策」

そんな中で、最大の問題は、財政と通貨の政策です。高市氏と言えば、積極財政をウリにして、総裁選も勝ってきたのですが、麻生G+維新と組んで公明を切ったことからは、財政規律にも本気が見て取れます。ズバリ、後期高齢者の医療費自己負担アップに切り込む可能性はあると思います。公明の離脱という大事件の背景としては「これ」しか考えようがないからで、反対に総理周辺はやる気満々であると思われます。

そうなのですが、票にするのは難しく、失敗すると内閣が飛ぶような材料でもあります。ここをどう進めるのか、そして、何よりも国としての存続可能ゾーンは非常に薄く狭いのも事実だと思います。「積極的な投資ができなければ滅びる」一方で「財政を緩め過ぎればやはり滅びる」という難しい谷間を進まなくてはならないからです。

円安政策のタイトロープ(綱渡り)

通貨ということでは、トランプ政権から「円安への異議」が来てしまい、市場が反応して「瞬時に円高」に振れるという恐怖がありました。ですが、今回は何事も起きず、静かに「高市円安」そしてガソリン税には手を打つということで、スタートは順調に見えます。問題は、この円安がある一線を超えると危険水域に入る、つまりラトニックとかベッセントが騒ぎ出す可能性があるわけで、その前に均衡点を見出すことが必要でしょう。

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東京都生まれ。東京大学文学部卒業、コロンビア大学大学院卒。1993年より米国在住。メールマガジンJMM(村上龍編集長)に「FROM911、USAレポート」を寄稿。米国と日本を行き来する冷泉さんだからこその鋭い記事が人気のメルマガは第1~第4火曜日配信。

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