NTTドコモが「独り負け」の厳しい状況に。「引き分け」たKDDI、「勝利」はソフトバンクのナゼ?

Osaka,japan,-,July,2,2022:ntt,Docomo,Logo.,Ntt,Docomo,,Inc.,Is
 

携帯キャリア大手の決算会見がおこなわれた先週、メルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』の著者でケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川さんは、これら企業の会見に足を運んで全体的な傾向を掴んだようです。今回のメルマガで、NTTドコモが「独り負け」と書いた理由とは一体何なのでしょうか?

NTTドコモが「独り負け」KDDIとソフトバンクは「数より質」に転換へ

先週、NTTドコモ、ソフトバンク、KDDIの順で決算会見が行われた。

全体的な傾向をザックリ語ると「NTTドコモ独り負け、KDDIは引き分け、ソフトバンク勝利」と言ったところだろう。

要は「値上げプランを発表したところは悲喜こもごも、値上げを先送りしているところが勝った」と言える。

NTTドコモはかなり厳しい状況にある。決算資料にも「これまでになく競争は激化した」とわざわざ書いてあるほどで、思わず質疑応答で突っ込んでしまった。

モバイル通信サービスの収入減が221億円、販促強化の費用増が551億円、ネットワーク強靱化の費用増が148億円と増えており、営業利益を下げる要因となっている。

値上げの影響かMNPでも9月はマイナスになったようだ。10月には持ち替えしているようだが厳しい。他社の攻勢に加えて、ネットワーク品質低下による顧客流出も認められた。

ハンドセット契約数は今年3~6月期に比べて9.2万契約も減少している。ネットワーク品質に嫌気が指したユーザーが流出する一方、多額の販促費をかけてユーザーを獲得している様子がうかがえる。

一方、KDDIもスマートフォン稼働数で見ると、今年6月末に比べて、9月末は2.2万契約しか増えていない。昨年同時期は12万契約増えていたため、獲得成長が鈍化しているのがよくわかる。

ただ、KDDIで注目すべきはARPUで6月末に比べて120円増えている。すべてのプランで一斉値上げしている効果が如実に出ているというわけだ。

また、解約率が1.21%に抑えられたのも注目だろう。

契約者数を減らすことなく、ARPUを大幅に上げられたのは大したものかもしれない。

「今回の値上げ、ユーザーに反発されることなく上手く乗り切ったのか」と松田浩路社長に尋ねたところ「サービス改定でしっかりとこれまで価値作りをしてきた。過去における投資が今のネットワーク品質につながり、しっかりワークしている。Starlinkや5G Fast Laneなどが価値として受け入れられていると認識している」とコメントした。

そんななか、この決算で勝利したと思えるのがソフトバンクだ。

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