十分にあり得る「論議にポピュリズムが侵入する」という要素
勿論、この論議にはポピュリズムが侵入する要素は十分にあり、誰も信じられず、何にも属さない中で、孤立した個人が依拠するものは国家だけになる、そんな中での次のような主張として出てきそうです。
国旗損壊の自由を認める、そこまで自分が国家より偉いという種類の人からは、国家だけが帰属や依拠の対象になっている自分たちは虫けらにみえるのだろうな、的な批判はあり得ます。
そこで問われるのが、リベラルが困窮者、雇用に苦しむ世代や個人に寄り添っているかどうかです。
国旗損壊を罪に問わない自由という概念が、高学歴者、富裕層の特権であるだけでなく、それに反対する困窮層を叩くという構図になってしまっては、その延長には、何の自由も描けない社会が待っているだけです。
この部分を乗り越えながら、やはり究極の自由を守るという議論をしていかねばならないと思っています。
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