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中国の自動車メーカー「理想」が異例“1万台リコール”の衝撃。なぜ隣国では「ありえない」ことなのか?

中国EVメーカー・理想汽車(Li Auto)が、フラグシップBEV「理想MEGA」1万台超の大規模リコールを発表しました。日刊で中国の自動車業界情報を配信するメルマガ『CHINA CASE』では今回、中国ではありえない対応の仕方をした今回のリコールについて詳しく解説しています。

【お詫びと訂正】
本記事の文末にある「※CHINA CASEは株式会社NMSの商標です。」に付与していたリンク先URLが誤っておりました。そのため、2025年12月3日に正しいURLへ修正いたしました。関係者の皆さまならびに読者の皆さまにご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。

理想が1万台余リコール、中国ではありえない対応を取った経緯

理想(Lixiang)は2025年10月31日、フラグシップ高級ミニバンBEV「理想MEGA」1万1411台のリコールを発表した。

同月23日、上海市で走行中の同車が突然発火し、中国でも極端に話題になった事件とも関連する。

そのリコールそのものも興味深いが、Liは今回、中国のリコール文化に乾坤一擲の問題提起を行う形となった。

何とその公式SNSをフル活用して、今回のリコールに関して、極めて詳細な文章を発表した。

同時に、同社トップの李想CEOも自身の公式Weiboで、それを引用する形でコメントを発した。

中国でリコールは、日本や欧米ほど受容されていない中で、今回のLiの取り組みは明らかに大きな画期になる可能性がある。

中国勢はリコールに消極的

中国メーカーはリコールに対して、極めて消極的である。

日本や欧米のように、不具合を検知すればほとんど自動的にリコールを発表するのとは違い、どうにも回避できない、やむにやむを得ない状況に限りリコールを行う。

制度が始まった20年程度になると思われるが、これは現時点に至るまで、根本的な改善は見えていない。

公式SNSで公表も稀

仮にリコールしても、それを極力公にしない、少なくとも公式SNSで情報を発信するなど言語道断、という姿勢が見え隠れしている。

具体的には、最近では小鵬(Xpeng)やBYDなどもリコールを行っているが、公式SNSではそれについては沈黙、自社PRばかりの配信となっている。

特にXpengのリコールは、Liと同じくオーナーからの不具合報告がSNSなどで拡散、問題視されている中で、その発端から数ヶ月後にようやくリコールを実施する、という形だ。

今回のリコール内容

とりあえず、今回のLiのリコール内容をまとめる。

対象は2024年2月18日~2024年12月27日に生産された理想MEGA 2024年グレード、合計11,411台。

該当バッチの冷却液が「防腐性能不足」であることが判明。

特定条件下で、バッテリーおよびフロントモーターコントローラーの冷却用アルミプレートが腐食・漏液し、警告灯点灯・出力制限・電源投入不可などの症状が発生する可能性がある。

最悪の場合、バッテリーの熱暴走を招く恐れがあり、安全上の重大リスクとなる。

対象車両について 冷却液・駆動用バッテリー・フロントモーターコントローラーの無償交換を実施する。

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事故原因との関連は不明

これが上海市での同車の事故の原因かどうかはまだ分かっていない。

これに関しては、李CEOのコメントが象徴的だ。

「事故調査には時間がかかる。1~2ヶ月結論が出ないこともある。しかし我々はすでに“事故の原因となり得るリスク”を発見した。

万分の一の確率でも、命は一度きり、リスクゼロ以外あり得ない」。

Q&A形式で詳述、謝罪も

Liは今回、ネット上でのユーザーの議論をベースとして、Q&A形式で計八つの質問に答える形で、今回のリコールの詳細を発表した。

例えばQ1では、「動画を見ると、異常発見から脱出まで数秒しかないのか?」という問いに対して、まず謝罪している。中国メーカーが謝罪する、というのも極めて稀。

その上で、実際には「車両発火の4時間以上前に」クラウド警告が発生し、担当者がユーザーへ連絡済みだったことを明らかにした。

しかし“非衝突での発火”という前例がなく、判断が遅れたことも認めた。

再発防止案として、チームのリスク判断訓練を強化、クラウド警告の対応フローを改善、より早く停車・救援指示を出し、「低確率でもリスクはゼロ許容しない」方針に転換した。

発火事故の影響

今回の上海市における同車の事故は、発火から、車体全体に炎が回る10秒程度の短い時間のもので、乗員が慌てて停車、車外に脱出している様子の動画拡散。

「やはり新エネルギー車(NEV)は危ないのではないか?」というネット世論を再燃させていた。

Liは当初、「ドアが問題なく開いた(ので、乗員が脱出できた)」と発表していたが、確かに衝突などでドアが開かずに死亡するNEV事故が相次いでいたものの、明らかに問題はそこではなかった。

それから一転での、今回のリコール発表、しかも事故後1週間という短い期間のもの。

リコール全公開が標準へ?

中国ユーザー側では自動車のリコールに関しては受容度合いは高まりつつあると思われる。

それは日本や欧米各社が中国でもグローバルスタンダード通り、リコールを頻発しており、リコールに対する認知や受容が急速に進んだためと思われる。

「自動車に不具合はつきもの」その前提に立ち、むしろリコールを忌避せず、大々的にオープンにする。

新興ながらLiは、中国自動車業界のスタンダードを数々樹立してきており、今回のLiの取り組みは中国のリコール文化を変える契機になる可能性がある。

出典: https://weibo.com/ttarticle/p/show?id=2309405227855776186657
CHINA CASEは株式会社NMSの商標です。

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