寄付は誰かのため、そして自分のため。『Giving』に宿る幸福感について

 

11年の東日本大震災では、多くの国民が寄付やボランティア活動に参加し、社会全体の寄付への関心が大きく高まりましたし、寄付自体は増えています。それでも世界基準には追いついていません。

しかも、増えている寄付の多くは「ふるさと納税」です。

ふるさと納税は節税対策になったり、返礼品目当ての利用も多いため「欲しい未来への寄付」とは、少々異なるように思います。

24年度のふるさと納税への寄付額は、1兆2727億円と前年度比で14%増え、5年連続で過去最高を更新。特に、コメを返礼品とする地方自治体への寄付が伸びたそうです。

一方、アメリカから世界に広がったGiving Tuesdayは、感謝祭後のブラックフライデーやサイバーマンデーといった商業イベントに対抗するキャンペーンです。

「与えること(Giving)」に焦点を当て、人々は寄付、ボランティア、スキル提供、親切な行いなどを、様々な方法で助けを必要とする人々やコミュニティに貢献し、世界をより良くすることを目指します。

この時期は、SNSでも#GivingTuesdayの投稿が増え、色々な人たち、さまざまな団体が、それぞれのやり方で、誰かのために、温かい、行動をしていて。その投稿を見るだけでも楽しくなるほどです。

日本でも古くはお布施や托鉢、金銭や物資を出し合い、困窮者を助けたり、共同の目的のために貯蓄したりする相互扶助組織「講」や「結」といった寄付の文化はあります。江戸時代の大阪商人の間では、「きたのう貯めて、きれいに使う」といった独自の寄付の精神もありました。

なのに、今は世界ビリ。増えた寄付が「ふるさと納税」とは・・・残念です。

人は寄付をすると幸福感が高まることが、心理学や神経科学の研究で一貫してしめされています。また、「寄付された人」より「寄付した人」の幸福感の方が高いとの報告もあります。

Giving December。ちょっとだけ温かい気持ちになってみませんか?

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