経営危機に直面したとき、最も怖いのは資金不足でも債権者からの圧力でもなく、「思考停止」です。倒産に至るケースの多くは、外部から潰されるのではなく、経営者自身が自滅するパターンだといいます。今回のメルマガ『『倒産危機は自力で乗り越えられる!』 by 吉田猫次郎』では、著者の吉田猫次郎さんが、リアルな3つの事例を通じて、思考停止がいかに危険か、そして平常心を保つことの重要性を解説しています。
経営危機の際、思考停止がいちばん怖い
どんなに理論武装しているつもりでも、いざピンチに見舞われると、 精神的パニックに陥り、思考停止になりやすいものです。 もしそうなってしまったら、なんとしても思考を回復させるべく、 「専門家に複数相談」「身内や友人とリラックス」「うまいものを食べる」 「運動する」「太陽に当たる」 などして、自分を取り戻しましょう。
過去に、思考停止に陥って自滅するかのように自己破産してしまった方や、 誤った選択をしてしまった方を、たくさん見てきました。たとえば、
事例1.売上が2億円以上あり、2年前までずっと黒字決算だったのに、 創業以来初めての2期連続赤字に陥り、それを機にすっかり自信喪失し、 心療内科に通い、うつ病と診断され、薬を処方され、それ以来、 薬を飲んでも外出が難しくなり、従業員や取引先とのコミュニケーションも 次第におかしくなっていき、翌年には3期連続赤字、翌々年には4期連続赤字 かつ債務超過に陥り、それでも社長交代ができず、リーダー不在の状態を ずるずる引きずり、最後には自己破産に至ったケース。
事例2.SNSでインフルエンサーと評され、フォロワー数20万人超、 売上高3億円突破と勢いづいていたが、ある日、その活動内容がグレー であると騒がれ、たちまちフォロワー数が何万人も減ってしまい、 本業の売上も急減してしまった方。これは彼にとって初めての挫折で、 たちまちパニックになり、SNSでの発信活動もできなくなってしまった。 翌年の売上高は1/10に急落。さいわい倒産には至らなかったが、 1年近く思考停止状態が続き、健康にも支障をきたしていた。
事例3.軽微な債務超過と赤字。客観的に見たら、地道な経営改善と 銀行借入のリスケジュールだけで生き返れそうな状態なのに、思考停止・ 自暴自棄に陥り、「もうダメだ」「廃業したい」と、弁護士に相談。 弁護士からも「この程度なら破産しなくてもいいんじゃないですか?」と諭されるも、 「いえ、どうしても破産したいです」と言って聞かず、破産手続きへ。 年商1億超、従業員7名、負債総額3000万円未満と少額だったのに、破産。
倒産は「自滅型」が圧倒的に多い
このように、倒産は「自滅型」が実に多いのです。 債権者に叩き潰されるようなタイプの倒産はむしろ少なく、 思考停止から自滅に至るタイプのほうが多いと感じています。
そうなってしまうと、自分を客観視できなくなります。 たった1000万円の借金でも、「自分には1000万円も借金がある」ととらえたり、 ちょっと資金繰りが苦しくなっただけでも、「もう終わりだ」とネガティブに考えたりして、 良くない方向へ進んでしまいがちです。
自分を客観視できるようにしましょう。 平常心を保てるようにしましょう。 どんなときでも思考を止めないようにしましょう (そのためには、たまに休むのもいいでしょう)。
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