660万人を苦しめてわずか117円の削減
この「見直し」が強行されると、この制度を利用している患者の8割に当たる約660万人の負担額が増加すると民間団体は試算しています。そして、この、まるで「低所得者は病気になっても治療など受けるな!」とでも言わんばかりの冷徹な政策で、一体どれくらいの予算が削減されるのかと言うと「1000億円前後」とのこと。これじゃ分かりづらいので、1人当たりの負担額に換算すると、1カ月にわずか117円だそうです。つまり、国民負担をわずか117円減らすために、660万人もの患者に大きな負担を強いるわけです。
麻生太郎財務大臣(当時)は8年前の2018年、「運動もせずに好きなだけ飲み食いして病気になった人の医療費を、健康のために努力している俺が払うのはアホらしい」と述べましたし、同じように思っている人もいるでしょう。しかし、全員から広く薄く集めたお金で困っている人を救うのが民主主義であり、そのように税金を再分配するのが政府の仕事です。それに、麻生氏と同じように思っている人たちにしたって、自分の負担が117円減ったところで何の実感もないと思います。
透けて見える高市首相の本性
で、ここで最初の話にクルリンパと戻りますが、高市首相は日本の医療を守るために、アジアに約100億ドル(約1兆6000億円)の金融支援を発表したのです。これって何か変じゃないですか?予算をたった1000億円削減するために、660万人もの国民の命を人質にするような冷徹な政策を強行する人が、同じ日本の医療のためにアジアにポンと1兆6000億円って、この人は日本の医療を守りたいのか破壊したいのか、やってることの整合性がとれません。
たとえば、アジアへの金融支援を約94億ドル(約1兆5000億円)にして、「高額療養費制度の見直し」は石破首相のように医療団体や患者団体の声を聞いて見送るとか、そういう判断はできなかったのでしょうか?結局はこの人、考えてるのは「いかに自分が国際社会で目立つか」ってことだけで、国民など二の次なんじゃないのかと感じてしまいました。家族には厳しいのにソトヅラだけいい親父って日本人に多いそうですが、今回のことであたしは、何だか高市首相の本性が透けて見えたような気がします。
(『きっこのメルマガ』2026年4月22日号より一部抜粋・文中敬称略)









