鮮やかすぎる計画倒産
2つ目は、ミエミエの計画倒産だったということです。破産宣告の際には、管財人が決まっていて、関係者は全員トンズラしており、余りにも鮮やか過ぎます。貸している銀行も平然と損金処理したり、混乱が少な過ぎます。加盟店側がクレカ端末が使えなくなり、売掛金が飛ぶなど大混乱となっているのとは、あまりにもコントラストがひど過ぎます。
これはいずれ明らかになると思いますが、契約には色々あって、1月遅れの支払で良い優良顧客から、5日単位の入金が必要なアップアップの顧客もいたようです。そんな中で、売掛金の入金のタイミング(サイクル)を考えると、一番被害額が膨張するタイミングで飛んだのかは気になります。
一方で、融資のサイクルも気になります。与信枠設定がされていて、その範囲内なら自動的に貸し借りしていたようですが、その返済のタイミングは各銀行間で巧妙にズラしてあったはずです。そんな中で、どうしてあのタイミングで飛んだのか、これも気になります。特に関係者、特に大口融資していた信組などとの関係が気になります。キャッシュの流れ、飛んだ際のダメージの波及、関係者のトンズラ幇助など、疑問は沢山あります。
見抜けなかった大手の責任
3点目は、大手の関係者です。VISAやJCBなどは、払う側で一種の被害者ですが、少なくとも末端の契約者(レストランやバーなど)もカードの加盟店であり、権利義務はあるはずです。という中で、これだけ大規模な逆ザヤが発生していて見抜けなかったというのは、非常に問題だと思います。
銀行の関係もそうで、粉飾の手口について、報道されている内容が正しければ極めてお粗末です。預金残高のインチキとか、帳簿のいい加減な計上とか、どれも初歩的なテクニックであり、ここまでアッサリ騙されていたとなると、金融機関としてヒド過ぎると思います。
ちなみに、メガバンク、特に三菱UFJさんと、三井住友は逃げ足が速かったと話題になっていますが、これは名義貸し問題がコンプラに抵触しただけで、別に目利きがいたとかそういう問題ではないと思います。反対に、地銀とか信金に関しては、コンプラなど無視で貸し続けていたわけで、お粗末な限りです。
※本記事は有料メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』2026年7月14日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。メイン・コンテンツ「USAレポート」の「AI時代の教育改革を考える」、人気連載「フラッシュバック81」もすぐに読めます。
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