このような動きの背景には、慢性的な人手不足や、スキルや技術の継承、さらには「定年制度」自体を撤廃すべきとの国からの要請が存在します。
そもそもこれまで日本企業は、欧米ではありえないような年齢差別を行なっていました。50歳や60歳になったからといって、突然、仕事のパフォーマンスが低下するわけでも、やる気がなくなるわけでもない。なのに「年齢」だけを理由に、まるで「在庫一掃セール」のように扱うのです。
労働人口の減少を見れば、シニア社員を生かす以外、企業が存続する術はないのに。「給料が高い」「コスパが悪い」「役職定年したシニアはモチベーションが低い」と、切り捨てるのです。
しかし実際には、40 歳~ 64歳の役職定年と定年後再雇用者を含む企業に勤める正社員約 4,400 人を対象にしたワーク・エンゲージメント調査で、役職定年および定年後再雇用者と非対象者の違いは認められませんでした。
つまり,制度上の処遇低下が必ずしも働く個人の精神的な活力や没頭を阻害しているわけではないという実態が明らかになっているのです。
と同時に、この結果は,役職定年や定年後再雇用といった役割変化のプロセスにおいて,多くの人が心理社会的な再適応の段階に移行している可能性を示唆します。
令和のシニア社員たちは、「会社の提示する肩書や給与というフレームにとらわれず、自らの仕事の価値を再定義し、しなやかに立ち直る強い自律性を備えている」ということなのでしょう。
さて、今後のシニアを巡る労働市場はどうなっていくのか?
「出番寿命」は伸びていくのでしょうか?
みなさんのご意見、お聞かせください。
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