2023年11月16日号でもお伝えしたように、日本の法人税は名目的には世界で非常に高い部類ですが、抜け穴がたくさんあるので実質的には非常に安いことになっているのです。
たとえば、日本では試験開発費減税というものが行なわれており、事実上、法人税が20%下げられているのと同じなのです。
しかもこの試験開発費減税は適用条件により、ほぼ大企業が独占的に享受しているのです。
外国の子会社から配当を受け取った場合、その95%は課税対象からはずされる、という「外国子会社からの受取配当の益金不算入」もあります。
これにより、海外に子会社や工場を持つ企業などの税金は非常に安くなっています。
これらの抜け穴により、日本の会社の実質的な法人税率は非常に低くなっているのです。
日本の名目上の法人税率は23%ですが、税引前純利益に対する法人税額は15%を切っているのです。
これはタックスヘイブン並みとまでは言えませんが、先進国の中では断トツに安いのです。
また「法人税を上げれば、企業が海外に出ていく」ということもよく言われますがこれもデマです。
消費税導入以降、なぜ法人税が下げられてきたかというと、「国際競争力を上げるため」ということで、財界が働きかけてきたからです。
今の日本では「国際競争力」を持ち出されると、だれも反対できない雰囲気があります。
「このままだと、日本の優良企業はみな海外に移転してしまう」などと言われると、政治家たちは恐れおののいて法人税を下げてしまうのです。
しかし、法人税というのは、実は国際競争力とはあまり関係ありません。
それは、ちょっと会計の知識がある者ならば、すぐにわかるはずです。
というのは法人税(住民税も含む)というのは、企業の支出の中で、わずか1%にも満たないのです。
法人税自体が支出の1%しかないので、税率が10%下がっても企業の支出に寄与する部分はわずか0.1%程度しかないのです。
考えてみてください。
企業がわずか0.1%の支出削減のためにわざわざ外国に進出するでしょうか?
外国に進出するということは、様々なリスクが伴うのです。
相手国の国情など、様々な危険要素があるのです。
支出がわずか0.1%減るくらいでは、到底ペイできるものではありません。
企業が海外に進出するのは、人件費や土地代の安さが最大の理由です。
実際に、今より法人税がはるかに高かったバブル以前よりも、法人税が著しく下げられたバブル以降の方が、日本企業の海外進出ははるかに多くなっているのです。
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