無党派層や穏健な共和党支持者を遠ざける過激なイメージ
次は、MAGA色の強さが裏目に出た2つの選挙区を紹介します。本来なら共和党が楽勝するはずの選挙区で、候補者自身の過激なイメージが無党派層や穏健な共和党支持者を遠ざけ、思わぬ乱戦を招いている例として取り上げました。
6.テキサス州23区:ブランドン・ヘレラ候補(共和、新人) vs ケイティ・パディラ・スタウト候補(民主、新人)
サンアントニオ西方からメキシコ国境沿いに広がる広大な選挙区です。2024年は共和党の穏健派トニー・ゴンザレス議員が約24ポイント差で圧勝しました。ところがゴンザレス氏は元側近女性との関係をめぐる醜聞で失速し、決選投票を前に撤退しました。代わって共和党候補となったのが、「AKガイ」の名で知られる銃器メーカー経営者でユーチューバーのヘレラ氏です。
ヘレラ氏は下院の強硬保守派「フリーダム・コーカス」の政治団体の支援を受けてきました。一方で、ナチス政権やホロコーストを茶化すような画像や冗談を含む動画を投稿していたと報じられ、ゴンザレス氏からは「ネオナチ」とまで批判されました。本人は否定し、動画は冗談だと説明しています。
一方で、民主党のケイティ・パディラ・スタウト氏は、もともと共和党寄りの有権者にも「この人物には任せられない」と訴えています。3月の調査でヘレラ氏の支持は42%にとどまっており、24ポイント差の安全区が一転して競り合いの様相です。
7.バージニア州5区:ジョン・マクガイア議員(共和、現職) vs トム・ペリエロ(民主、元職)
シャーロッツビルからリンチバーグ、州南部に広がる農村・福音派色の強い選挙区です。元海軍特殊部隊員のマクガイア氏は2024年、トランプ氏の後押しで同じ共和党の現職ボブ・グッド氏を予備選で破り、本選も15ポイント差で制しました。今回もトランプ氏の推薦を前面に掲げ、対立候補を「共産主義者」と攻撃しています。
挑む民主党のトム・ペリエロ氏は、2008年にこの選挙区で当選した元下院議員で外交官の経歴も持ちます。ワシントン・ポストとジョージメイソン大学の9月末の調査では、マクガイア氏51%、ペリエロ氏45%と差は6ポイントまで縮まりました。選挙区内でトランプ氏を好ましくないとする人は53%に達し、資金集めでもペリエロ氏が上回っています。ペリエロ氏は、2008年の民主党の大勝時と比べても「今回は共和党の底が抜けつつある」と語っています。
同じ構図はコロラド州4区でも見られます。MAGA派の代表格ローレン・ボーバート議員に対し、元共和党員で退役海軍少将の民主党候補アイリーン・ローバッカー氏が1,000万ドル超を集め、ボーバート氏の約10倍の資金力で挑んでいます。ここは、行き過ぎMAGAと、女性軍人(将官クラス)ということでも注目されます。
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