今回の「3分書評」で取り上げるのは、かつてブリタニカで世界142カ国中2位の成績を収めた女性営業のカリスマ・和田裕美さんが「クロージング」について著した一冊。最後の詰めに悩んでいる営業マンの方、絶対に読むべきですよ!
『成約率98%の秘訣』 和田裕美・著 かんき出版
こんにちは、土井英司です。
「人は、No.1のものしか記憶しない」
かつて、こんなマーケティングの定説を覆し、ベストセラーになった営業本がありました。
『世界No.2セールスウーマンの「売れる営業」に変わる本』。
著者の和田裕美さんは、かつてブリタニカで世界142カ国中2位の成績を収めた、女性営業のカリスマ。
ここのところずっと、自己啓発的な内容が多かった著者ですが、今回の書籍は、普段見せる爽やかな笑顔からは想像もつかない豪腕ぶりが垣間見れる内容です。
本書のテーマは、ズバリ「クロージング」。
営業マンが悩む、最後の詰め、最後のひと押しのテクニックが、豊富な会話例とともに解説されています。
著者いわく、
真面目でいい人なのに、売れない」とか「やる気もあるし、がんばっているのにそれほど売上が上がっていない」という場合、そのほとんどは、本人が「クロージング」をかけていないことが原因
のようです。
そんな人は、著者のこの言葉を読むといいでしょう。
クロージングをかけずに、営業が断られるのを怖がって曖昧にしてしまうと、お客様は決断を先伸ばしにしてしまうのです。そして、決断を先延ばしにするから、人は変われないし、夢や目標に一歩たりとも近づくことができないのです。
そうならないためにも、クロージングの技術を学ぶことは大切。
さっそく、本書のポイントをいくつか見て行きましょう。
◆対面して最初に行う、ニーズを探るためのコミュニケーション
ここで押さえておきたいポイントは3つ
- お客様の現状を知る
- お客様が聞きたいことを知る
- お客様がわくわくするツボを知る
「今から商品説明をしますので、もし気に入っていただけたら、今日決めてくださいね」と、決断を意識する言葉を必ず言う。
1回目のクロージングが「商品が気に入っていただけたら決めてください」という条件つきのクロージングだったのに対し、こ2回目のクロージングは、具体的なお金の話をして、最終選択、つまりは決断をしてもらいます。
必ず価値を伝えてからお金の話を
◆物を買うときに思うこと
- もっと安いものがないかな?
- もっと良いものがないかな?
- この営業のこと、本当に信じていいのかな?
「◯◯さん、これ、だいたいの相場ってご存じですか?」と、ひとつ質問を入れる
◆保険営業で使えるフレーズ
- たぶん話を聞いちゃうと、加藤さんはきっと保険を変えたくなっちゃうと思うんですよ
- お友だちに「もっといい保険あったからそっちにするよ」って言ったら友だちの縁を切られてしまいますか?
まずはお客様の不安ととことん向き合って、営業が相手の状況を理解し、相手の気持に沿ってみることです。共感することがないままに不安は解消できません。
◆化粧品営業で使えるフレーズ
安い金利で貯金するより、自分に投資したほうが利回りがいいでしょ?
◆フィットネスクラブの営業で使えるフレーズ
今ここに、通われている方のほとんどが、最初はそうおっしゃってました
保険営業、不動産営業、化粧品営業、フィットネスクラブの営業…。さまざまなシーンで使える営業トーク、クロージングテクニックがまとめられており、じつに興味深く読めました。
ぜひチェックしてみてください。
『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』
著者はAmazon.co.jp立ち上げに参画した元バイヤー。現在でも、多数のメディアで連載を抱える土井英司が、旬のビジネス書の儲かる「読みどころ」をピンポイント紹介する無料メルマガ。毎日発行。
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