新しい発見や、これまで信じられてきた定説が覆されるような情報に触れると、好奇心が刺激されるものですよね。子どもの頃に習った「知識のアップデート」をすることもまた、意外に大切で楽しいことです。今回の無料メルマガ『1日1粒!『幸せのタネ』』では著者の須田将昭さんが、実例をあげながら新しい知識と接する面白さを説いています。
知識のアップデート
子供達と「授業」という形で関わっている中で、「おろそかにしてはいけない」ことは色々あるのですが、その一つに「知識のアップデート」ということがあります。このメルマガでも時折は取り上げていますが、昔、こう教わったということが変わっていることは意外にたくさんあります。
たとえば、江戸時代には、身分制度として「士農工商」というのがあったと習いましたが、最近の研究では、「士が支配階級だったというのはあるが、農工商に身分的な順序はなかった」というのが定説になってきて、それぞれが「固定的な階級社会」ということではない、というのが今の考えのようです。
教科書を作っている会社の一つ、東京書籍では、なんと平成12年版の教科書から士農工商や四民平等という用語を使っていないとしています。
● 教科書・図書教材 よくあるご質問Q&A 小学校 「新編 新しい社会」,「新しい社会」3・4下
もう20年近くになっているのです。その教科書で歴史を学んできた人たちが、すでに社会でバリバリ働いている世代です。
研究が進めば、それまで常識とされていたことが否定されたり、あるいは未知のものだったのが発見されたり、解明されたりすることはたくさんあります(そうでなければ、その社会は停滞しているだけですね)。
歴史は次から次へと発見がある分野の一つですが、日本の「最古のお金」は長らく「和同開珎」でしたが、平成に入って「富本銭」というさらに古い時代の貨幣が見つかって、今は最古の貨幣は「富本銭」だとされています。
「大化の改新 645年」も、「無事故で実現 大化の改新」というような語呂合わせで覚えた方も多いかもしれません。本当の意味で「大化の改新」と呼ぶべき改革は、「大化」という元号を制定し、さまざまな改革を実行し始めた時から、ということで、それは646年だとされています。じゃあ、あの「中大兄皇子と中臣鎌足が蘇我入鹿を倒したのは?」となりますが,あれは「乙巳の変」という事件として捉えるべし、だそうです。言われてみればそうですね。
天文の世界では、「冥王星」が惑星から準惑星となったのは、2006年のことでもう10年以上も前のことでした。太陽系の惑星は?と聞かれて
● 水金地火木土天海冥
の「冥」がなくなっていますが、一定の年齢以上の人だとつい「冥」まで言ってしまいそうです。この辺りは、色々なところで時々取り上げられる話題ですが、時折でも新しい知識が出ていないかみておきたいところです。
「大化の改新が645年でも646年でも別に困らないよ」という方もいらっしゃると思います。はい、困らないですね,私たちの普段の生活では。ただ、「困るか困らないか」ということだけで何事も割り切れるものでもないですし、いわゆる「好奇心」がおもむく分野については、ぜひ、知識のアップデートをしてみてほしいと思うところです。
昔はさほど面白いと思わなかったところが、え?意外にこの辺はわかってないことが多かったの?ということで楽しくなることがあるかもしれません。
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