物やサービスを売ろうとする際、単に会社の実績や商品の特徴ばかり並び立てても相手の気持ちを動かすことは難しいものです。では一体どうすれば?今回の無料メルマガ『弁護士谷原誠の【仕事の流儀】』では現役弁護士の谷原誠さんが、「お客様へのメリットやデメリットは何かを考え、巻き返してそこからPRする」という手法を紹介しています。
巻き返して話す方法
こんにちは。弁護士の谷原誠です。
前回の「あなたの駆け引きが失敗するのは、PRどころが間違っているからだ」で、自己PRの注意点として、自分の自慢や自分目線でのPRをしても、効果がない、ということを書きました。その中で、営業の場面として、商品説明や会社の実績等を紹介ばかりしても効果がない、ということも書きました。
しかし、これは、商品説明等をしない方がよい、ということではありません。そこで止まっていては相手に効果的に伝わらない、ということです。
たとえば、吸引力が従来の2倍になった掃除機があるとします。
「この掃除機は、吸引力が従来の2倍です!弊社は、創業40年の伝統ある会社です!」
というだけでは効果的ではない、ということですね。効果的にするには、自分に質問をすることです。
「その結果、お客様には、どのようなメリットがあるのか?」
あるいは、
「これを買わないと、お客様には、どのようなデメリットがるのか?」
という質問です。そうすると、
「吸引力が2倍になることにより、これまでにないほど埃の少ない清潔な部屋で快適に生活することができます」
「吸引力が2倍になることにより、これまで掃除できなかった部屋の角などにたまった埃も掃除して、気持ちよい部屋になります」
というような答えが出てきます。そうしたら、PRする際には、順番を逆にして巻き返します。
「この掃除機を使うと、これまでにないほど埃の少ない清潔な部屋で快適に生活することができますし、これまで掃除できなかった部屋の角などにたまった埃も掃除して、気持ちよい部屋になります。なぜなら、吸引力が2倍になったため、これまで取れなかった埃までも掃除することができるようになったためです。それは、弊社が40年間にわたり、ひたすら掃除機の性能を上げるよう研究を続けてきたために実現できたものです」
このように、PRをする際には、相手の目線で相手のメリットを強調し、本来強調したい点は、その理由付けとしてPRするようにすると、相手に効果的に伝わるようになると思います。
「成功の秘訣があるとすれば、それは常に相手の立場を理解しようと努め、相手の立場から物を考えるようにすることです」
(ヘンリー・フォード)
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今日は、ここまで。
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