現代において、「行動力がある」という言葉は良いイメージで使われることが多いようです。特にビジネスの場面ではそう。成功をおさめるために「行動力」は必要とも言われますが、その意味を履き違えているビジネスマンも少なくないといいます。今回の無料メルマガ『ビジネス真実践』では著者で人気コンサルタントの中久保浩平さんが、本当に「行動力がある」と言われる人はどんなことをしている人なのか、逆に勘違いをしている人はどこで間違えているのかを紹介しています。
ちょっとやそっとじゃ
当たり前ですが、行動力がある人と行動力がない人とでは、結果がまるで違いますよね。ですので「行動力」は仕事をする上でとっても重要なこと。ということは誰もが分かっていることです。
しかし、何事も行動することは大切、と頭で分かっていながらもいざ行動しても何かが変化したり、成果として目に見えるようになってきた、ということが実感できない。という人ほど、行動したという事実だけに満足し自分には行動力がある方だ、と思っているのです。
ですが、それは勘違い。行動力があるとはいません。厳密に云うと、実際に行動したこと=行動した気になっているというレベルなのです。行動することが大切であるというので、とにかく何事もやってみた、というのは、行動力があるとは云いません。
- 新しいことにチャレンジした
- ○○に挑戦した
- ○○に取り組んでみた
というのは「単に動いてみた」というだけのことなのです。こうしたことを行動力がある、ということにしてしまうと、ちょっとやってみた、というのも行動力があるものとしてしまいます。
やらないよりやる方がいい、というくらいでは得たい成果は得られません。結果の善し悪しは別にして何らかの成果や結果が伴って、はじめて「行動力がある」といえるのです。よって、行動したけど何も変わらない、というのは行動力があるとはいえないのです。
たとえば、意を決して独立した人がいたとします。ですが、1カ月経ったころ「起業することがこんなに大変だったとは…」と思い知らせれます。そして、起業したことに後悔しはじめて、「やっぱり俺には起業なんて向いてないな」と考えまたサラリーマンに戻ってしまいます。
この場合、この人は行動力があるか?って言われれば、確かに1歩は踏み出しました。ですが、行動力があるとは決していえません。「1歩は踏み出したけど、ちょっとやってダメだったからやめました」というのは、結局、元の世界に戻っている=何も変わっていない。
ということだからです。
1カ月経って、厳しさを知り、自分には向いていないと簡単に判断し止めてしまうのではなく、1カ月目に厳しさを知ることができた、と捉えて次に活かす。そうやって、2か月目以降から少しづつ成果も見え始め、自信もついてきた。これではじめて「行動力がある」ということなのです。
ちょっとやってみて駄目だった。というのは行動力があるとはいえません。真に行動力のある人というのは、結果が伴わないとき自分に行動力があるとは思っていません。行動力がまだまだないから、結果が伴わないと考えます。つまり、まだまだ動き(アイデアの発想やプラン見直しなど含む)が足らないと思っているのです。
重要なことは、行動したことによって何かしらの結果が出たかどうか?どのような変化があったのか?です。「起業しました。でもやっぱりスグに辞めました」というのは、1つの経験にはなりますが、そこに自分にとっても周りにとっても何1つ価値を残せていない、単なる思い出作りです。
最初は上手くいかなくてもやっているうちに見えてきた!この「やっているうちに」が行動力なのです。行動力があるというのは、目に見えた成果、成長や変化を実感するということです。行動力にこうした定義を持っておくとことで、
- 何も成果が出ていない
- 何も変化を感じられない
という時は、
- まだまだ行動力がない
- まだまだ動きが足らない
と判断し、補足や改善しなければならないことなどさらに取り組むべきことを明確にしていくことができます。そして、そのことが仕事で必要な行動力を養っていくのです。
■今日のまとめ
「行動力を定義する」
- 行動力があるということは、どういうことをいうか?書き出す
- 書き出したことに対して自分は行動力があるかどうか判断する
image by: Shutterstock.com