中国・習近平体制に赤信号か?「政敵粛清」に見えた焦りと危うさ ほか3本

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中国の習近平国家主席が政権に不満を抱いている勢力に対する排除を行っています。米中対立が加速している中、党と軍に吹き荒れる激しい粛清の嵐。メルマガ『uttiiの電子版ウォッチ DELUXE』著者でジャーナリストの内田誠さんは、激しい党内闘争は習近平政権の行く末を危うくしていると分析しています。その他、秋元司議員逮捕で揺れるIR計画、未だオンラインのみの大学授業、次期米大統領候補のバイデン氏の話題も。

「危うい習近平政権」ほか、新聞各紙の報道を比較(8/21)

【ラインナップ】

◆1面トップの見出しから……。

《朝日》…秋元議員を逮捕
《読売》…秋元衆院議員 逮捕
《毎日》…秋元議員を逮捕
《東京》…藤井2冠

◆解説面の見出しから……。

《朝日》…英語民間試験 コロナで混乱
《読売》…IR計画 暗礁
《毎日》…クラスターすぐ全検査
《東京》…王位戦 4局のドラマ

【プロフィール】

*きょうのテーマは「危うきものたち」です。立憲民主党と国民民主党が合流する「合流新党」は十分「危うきもの」ですが、きょうに関しては“次点”ということで(笑)。

■危うき習近平体制■《朝日》
■カジノ計画の蹉跌■《読売》
■危うし!知の未来■《毎日》
■バイデンという選択肢■《東京》

危うき習近平体制

【朝日】の記事に見える「危うきもの」は中国の習近平体制。9面国際面に気になる記事。見出しから。

中国公安部 また粛清
今年3人目 政権不満勢力を排除か
習氏の求心力に影?

中国で、公安当局の幹部が相次いで粛清されている。反腐敗キャンペーン中で失脚させられた周永康氏(元政治局常務委員。無期懲役)の影響力が残っていて、次々に排除されている形。

今、取り調べを受けている上海市副市長兼公安局長で3人目。3人には、周永康氏の部下の部下という共通点。

朝日が取材した党関係者によれば、摘発は「今なお周氏を支持し、現政権に不満を抱く勢力がいるため」で、今年4月にも公安省内では「組織から徹底して周永康の毒を取り除け」と発破が掛けられたという。

●uttiiの眼

習近平体制は、周永康に対する独裁という意味合いもあるのだろう。共産党内部の激しい党内闘争の一端を見せられているように感じる。

周永康氏の汚職が「冤罪」ということはなさそうだが、逆に言うと「汚職」だけなら、周永康氏が摘発されたあとも信奉者が残っているのは理解しにくい。どっちもどっちの「勢力争い」という印象が拭えない。

このようなガタガタした状態が続けば、22年の次期党大会で習氏がトップの座に留まれるかどうかが焦点だという《朝日》の分析は非常に興味深い。

「深まる米中対立に加え、深刻さを増す香港情勢、インドなど周辺国との摩擦など難問が山積。新型コロナウイルスで落ち込んだ経済を回復軌道に戻す手腕も問われる」という。

最も重要なのは「経済」に違いない。そのためには米中対立をどう軟着陸させるのかも重要。その点では米国大統領が誰になるかという要素も大きいはずだ。

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