バイデンという選択肢
【東京】が伝える「危うきもの」は、米大統領選民主党候補のバイデン氏。4面記事の見出しから。
経験自負も「誤った開戦」
一貫性欠く外交
トランプよりはマシだろうという“期待”だけでは、熱狂を求める米大統領選を勝ち抜くことは不可能だろうとの観測が強まる中、さらにバイデン前副大統領の弱みが指摘されている。
オバマ政権で国防長官だったロバート・ゲイツによれば、バイデンは「過去40年、ほぼ全ての主要な外交、国家安全保障問題で間違っていた」と切り捨てられている。
上院議員時代、国連決議に基づいていた91年の湾岸戦争に反対し、2002年、後にオバマが「誤った戦争」と批判したイラク戦争に賛成している。副大統領時代の2011年、イラク撤退は後にテロ組織の台頭を許すことにつながり、アフガニスタンへの増派に反対した。
外交専門家に言わせると、「軍事力をいつどのように使うかという一貫した哲学に欠けている」(米企業公共政策研究所のコリ・シェイク氏)とボロカス。
比較的同情的な見方をする専門家からも、「対中国を含め自身は強い信念を持っていない。そのため、政策は周囲の助言に左右される」(プリンストン大学教授・アーロン・フリードバーグ氏)と言われてしまっている。
●uttiiの眼
前門のトランプ、後門のバイデン…。
バイデンは、上院議員時代、イラク戦争開戦に賛成したのは誤りだったと認めたそうだ。ただ、なぜ間違えたのかについてどんな説明をしたのか、伝えられていない。
記事はその代わりに、専門家2人の解説を置いているが、いずれもバイデンには「信念」とか「哲学」のような一貫したものが欠けているというもの。混乱して誤った外交政策を唱え続けていると批判されている。
勿論、一貫していようがいまいが、米国の好戦的な外交政策は歓迎しないけれど、米国国民からすれば、バイデンを政治的リーダーとして押し上げるには不安がつきまとうだろう。
米国の有権者は、「鼻を摘まんでバイデンに入れる」ということになるのだろうか。
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