中国・習近平体制に赤信号か?「政敵粛清」に見えた焦りと危うさ ほか3本

 

カジノ計画の蹉跌

【読売】の誌面に見える「危うきもの」はIR。3面の解説記事「スキャナー」の見出しから。

IR計画 暗礁
コロナ禍 優先順位低下
汚職事件 イメージ失墜
訪日6000万人 目標難しく
依存症、治安──根強い懸念も

IRを含む統合型リゾート整備計画が立ち往生しているという。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、IRの認定基準に関する基本方針決定時期の見通しも立たず、開業はその分遅れるだろうという。

そもそも昨年12月に秋元司議員が収賄容疑で逮捕されたことでIRのイメージが悪化し、そこにコロナ禍が追い打ちをかけた。経済が落ち込む中、すぐにIR整備計画を進められる状況ではなくなったと。

加えて、既存のカジノ自体、「3密」の施設とみられ、マカオでは41施設のすべてで営業を15日間停止した。多くは再開したが、客足は戻っていないという。ラスベガスでも客は半減したと。

●uttiiの眼

IRの「躓き」は、秋元議員の収賄容疑での逮捕、コロナ禍、では終わらない。秋元議員の別容疑での再逮捕がさらに追い打ちをかけているというのが、きょうの時点。

記事は「証人買収」での2度目の逮捕を書き込んでいないが、もうほとんど「マフィアの世界か」と言われかねない「証人買収」などという容疑の登場は、ある意味、IRに相応しい出来事とも思える。

皮肉っぽく言えば、「いよいよカジノらしくなってきたねえ!」ということ。

それにしても、ずいぶんなものを経済政策の決め手にしたものだ。コロナ後には「新しい生活」が必要だなんて言っているのだから、IRはすべて取りやめるべきだろう。そんなことでコロナ後の経済が活性化するはずもなければ、活性化させてよいわけもないだろう。

《読売》はIR推進派だったはずだが、今になって依存症やら治安の問題を指摘する厚顔無恥。

危うし!知の未来

【毎日】が示す「危うきもの」は「大学教育」。1面の定番コラム「余録」に見えている。

英詩人が「この地上に大学より美しいところはない」という大学。ここで言われている「美しさ」は建物や芝生の美しさではなく、「無知を憎む人が知る努力をし、真実を知る人がそれを伝えようと力を尽くしている場所」であるがゆえの美しさのこと。これはケネディー米大統領がアメリカン大学で行った演説の前置き。

今キャンパスはコロナ禍で閉ざされ、学生はオンライン授業を受ける。秋学期も原則オンラインとする方針が大学からは相次いで示され、学生からは不満や不安の声が上がっている。

施設が使えないのに高い授業料を払わされ、議論を交わす相手もない。立命館大学新聞が調査したところ、「退学を視野に入れて今後を考える」学生が1割近いという。

余録子はウィズコロナ時代の大学キャンパスの新しいかたちを探らないことには、この国の知の未来が危うい」という。

●uttiiの眼

教授や学生同士の人間的な触れ合いの中で行われるべき大学教育。オンライン授業一辺倒への不満が募っているのは間違いない。

しかし退学したからといって、海外留学できる訳でもなく、行き場はない。何をすれば人間的な成長にとって有意義な時間を過ごすことができるのか、考えなければならない。

試みに自らの大学生活を振り返ると、過剰なまでに試され続けた毎日が蘇ってくる。気の毒な現代の大学生。

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