新型コロナウイルスの流行以降、出張がなくなり旅行も自粛で、久しく飛行機を利用していないという人も多くいるのではないでしょうか。自粛ムードは日本ほどではなくても、アメリカも状況は似たようなもの。それなのに、昨年1年間の飛行機内での暴力や迷惑行為などのトラブル数が、過去30年の総計を超えたそうです。伝えてくれるのは、『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』著者でNY在住人気ブロガーのりばてぃさん。コロナの影響でマスクなどストレスが増しているほかに、ビジネス客の激減も原因に挙げられていると、その意外な理由を明かしています。
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飛行機の中で激怒する人が増えている!?
まずはデータから。…とその前に質問です。飛行機の中で問題を起こして騒ぎになったり最悪の場合は逮捕されたなんてニュースが日本でも出ていますが、アメリカではどうでしょうか。2021年に飛行機の中で激怒した人の数は何人でしょうか?
まぁ、コロナ禍でストレス溜まっていたりしますし、マスク問題はアメリカでもあるのでそこそこいそうですが、どうでしょう。
答えは、5,700件超。通常は年間100~150件ほどしか起こっていなかったそうですので、突然、例年の30~50倍超に増大しています。また過去30年間分を足し合わせた数より多かったのです。
● Why Air Rage Cases Are Skyrocketing(YouTube動画)
CNBCの報道によると、明らかに酔っ払った乗客からの言葉の攻撃(Verbal Attacks)、座席を蹴ったり(Kicking seats)、ゴミを投げたり(Throwing Trash)、トイレを汚す(Defiling Restrooms)なども増加傾向にある他、報告されていないものもあるそうで、実態はもっと多いそうです。
怒り出す人が増えた理由は明らかではないそうですが、例えば、コロナ禍の影響によるマスク着用の義務への反発、フライト遅延やキャンセル、そもそもコロナ禍で溜まったストレスなどが影響しているのではないかとの仮説が出ています。
また、興味深い指摘には、ビジネス出張の客が減ったことが挙げられています。ビジネス客は旅慣れていますし、仕事でいくので品行方正でいる傾向にあります。つまり、機内での振る舞い方やルールをよく理解し行動も伴っているので、他の乗客の模範となっていたと。
でもビジネス客は感染予防のため出張を控え激減。その一方で、飛行機に乗り慣れていない人や初めて乗るような旅行客が増え、たいがいの場合において自分のことしか考えていないため、結果的に、急激に機内の治安が悪化したというのです。
たしかに初めて飛行機乗ったときははしゃいでしまいますし、コロナでの自粛から解放された喜びもあって羽目を外してしまいがちになるのかもしれません。
それでも周りに乗り慣れているビジネス客が多ければ、隣の席で仕事をしていたりするので、はしゃぎたい心を落ち着かせるとかもあるのでしょう。いかに人間が周囲の人々の言動から影響を受けているのかを考える社会学的な実証実験にもつながるような気もしますね。
あとビジネス客だとしてもネガティブに不満だけを訴える人はいるわけなので、まぁ、コロナ禍で意識しないうちに多くの普通の人たちがかなりのストレスを抱えていて、普段なら我慢できることが我慢できなくなっているのもあるのかもしれませんね。
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image by:pcruciatti/Shutterstock.com