5年ぶりに保守派の新大統領が誕生する韓国。ユン・ソギョル次期大統領が、首脳同士によるシャトル外交の復活の意向を示し、「反日感情を政治利用しない」と方向転換を印象付ける発言をしたことに注目するのは、メルマガ『石川ともひろの永田町早読み!』著者で、小沢一郎氏の秘書を長く務めた元衆議院議員の石川知裕さん。嫌韓の声が大きくなり、経済面でも傷んでしまった両国関係を改善する好機が来ていると、岸田政権の積極的な対話を求めています。
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日韓関係を改善する好機がやってきた/日韓W杯は遠い昔…
韓国で新大統領が誕生した。新しい大統領が日本との関係をどうしたいのか気になるところだ。日韓関係は戦後、最悪の状況になっている。2002年の日韓ワールドカップ共催が遠い昔のようだ。やはり、徴用工問題や慰安婦問題で、韓国側の対応が変化した影響が大きい。
韓国大統領は支持率が下がると日本たたきを行う癖がある。日本との歴史問題を持ち出し、自分への憎悪を日本に転換させる作戦だ。植民地として屈服させられた旧宗主国に対して「闘う指導者」「民族の誇り」というイメージを作り上げるのだ。
日本でも、韓国の強硬姿勢に嫌気が差して韓国叩きをする政治家が増えている。国民の中でも、韓国との友好を主張する政治家に対して冷ややかな視線が送られる風潮が出てきた。先の総選挙で引退した河村建夫元官房長官は日韓議員連盟会長ということだけで、ネトウヨからの攻撃を受けていた。
しかし、経済界は決して対立を望んでいない。韓国の輸入相手国は1位が中国、2位が日本である。日本と韓国は経済上、切れない関係にあるのだ。観光業でも日韓関係が冷え込んだ影響で閉店を余儀なくされたお店を私は見てきている。また、くず鉄業界などもかなり影響を受けた。
現在の日韓関係について、ユン・ソギョル新大統領は「ムン・ジェイン政権が国益を優先するのではなく、外交に国内政治を持ち込んだため、国交正常化以降、最悪の状態に陥った」とムン政権の対日政策を批判し、首脳同士によるシャトル外交の復活などを行う姿勢を示している。そして「反日感情を政治利用しない」と発信し、「未来志向的な韓日関係をつくる」とかなり踏み込んでいる。
ムン政権は元従軍慰安婦に関し、「最終的かつ不可逆的な解決」が確認された2015年の日韓合意をひっくり返した。また、「佐渡島の金山」(新潟)の世界文化遺産推薦にも反発するなど反日姿勢が強かった。だから、ユン新大統領の発言は、大きな方向転換と言える。
5年ぶりの政権交代で冷え込んだ日韓関係をどうするか。双方が歩み寄らなければいけない。政権交代が行われた今こそが好機であり、岸田政権も対話を重ねるべきだ。
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image by: 尹錫悦 - Home | Facebook