「AIの発展で本当に仕事がなくなるのでしょうか」そんなお悩みが世界的コンサルティング会社マッキンゼーで14年間もの勤務経験を持つ、ブレークスルーパートナーズ株式会社マネージングディレクターの赤羽雄二さんのもとに届きました。赤羽さんは自身のメルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』の中で、安心させるための答えではなく、競争構造・スキルの階層・AIがもたらす現実的な変化を前提に率直に話をしています。
AIの発展で本当に仕事がなくなるのでしょうか。将来が不安でたまりません
Question

この1,2年、AIの話題が上らない日がありません。私が気になっているのは、AIの発展で本当に仕事がなくなるのか、ということです。私は今32歳、社会人になって10年、3社目で経理の仕事を主にしてきました。経理は真っ先にAIに置き換えられるとかよく見るので将来が不安でたまりません。
赤羽さんからの回答
ご相談どうもありがとうございます。
お気持ち大変よくわかります。身も蓋もありませんが、ご心配、ご懸念の通りだと思います。
経理の仕事はまさに真っ先にAIに置き換えられると思います。ただ、経理に限らず、2つ大きなチャンスがあります。
一つは、経理の仕事をAIに置き換えるには、経理に詳しい人がAIに詳しい人と一緒になって仕組みを作らなければなりません。その仕事は相当長い間続きます。なぜならば、経理機能がなくなるわけではなく、それをどうやってよりよくAIで実現していくか、不断の改善が続くからです。
100%自動的に改善が続く、ということはAGI(汎用AI)ができても可能かどうかわかりませんし、そもそもAGIが実現するかどうかすら、見えていません。
少なくとも、今の大規模言語モデル(LLM)の延長線上にはありません。
もう一つは、経理に限らずすべての仕事に関してですが、今、相談者さんが大卒、経済学部で社会人になって10年、経理業務に携わっておられるとすると、そのようなスペックの人材ということです。海外でCPAを持って勤務したとかではなく、高卒で経理業務3年とかでもないわけです。
それぞれ、経理業務を担当する人として違うスペック(競争力)のグループにおられます。そのグループの中で上位1/3に入っていれば、当分仕事がなくなることはありません。下位1/3なら2~3年で仕事がなくなるでしょう。真ん中の1/3ならこれからの頑張り次第です。
下位1/3ならなぜ2~3年で仕事がなくなるかというと、より競争力のあるグループの下位1/3の方々が仕事を失って、下のグループに落ちてくるからです。そうすると、当該グループの下位1/3の方が押し出されてしまう、ということになります。
つまり、今おられるグループの上位1/3に入っていれば、ある程度は安心ということになります。永久にではありませんが。
ということで、2つの方向から光が見えます。どちらにしても、相当の努力をしないと生き残れないことは間違いありません。
ですので、将来が不安なのはその通りだと思いますが、努力の方向はある程度以上見えているということになります。
産業革命以来、仕事がなくなっても必ず機械のメンテナンスとか保守・運用とか仕事は増え続けてきたと言いたい、考えたい気持ちはわかります。ただ、今回ばかりは、全体としては仕事が減る、というふうに考えて、必死の努力をしておくほうがよさそうです。
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