72年の歴史を誇る劇団青年座が新天地・池袋で新たな挑戦。創造拠点の「劇場」復活へクラウドファンディング始動!

2026.05.27
by まぐまぐニュース スタッフ
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1954年の創立以来、72年にわたって日本演劇界の一翼を担ってきた劇団青年座。西田敏行、高畑淳子、竹中直人、山路和弘、鈴木浩介など、国民的俳優・声優を数多く輩出しています。しかし、長年の拠点であった代々木八幡の青年座劇場が耐震上の問題から移転を余儀なくされ、ここ最近は「拠点がない」状況での劇団活動が続いてきました。

そんな青年座は2025年4月から池袋へ一部移転を開始し、今年2026年4月、旧舞台芸術学院(俳優養成を目的とし、舞台芸術専門課程が設置されていた1948年開校の演劇専門学校。2026年3月に閉校)の建物を全面的に引き継ぐ形で本格移転を果たしました。新拠点の1階には演劇スタジオ機能を備えた空間があるものの、電源仕様の問題や老朽化、舞台構造の制約から、現代の演劇興行に対応しきれない状況にあるといいます。

1階にある演劇スタジオ空間。現在の設備では、お客様を呼んで公演をおこなうことができないという

1階にある演劇スタジオ空間。現在の設備では、お客様を呼んで公演をおこなうことが難しいという

そこで青年座は、かつての青年座劇場のような自由な創造拠点を「再生」するため、現在「READYFOR」にてクラウドファンディングに挑戦中です。目標金額は3000万円で、締切は2026年6月19日(金)23時まで。下階の演劇スタジオ(劇場)のリフォーム完成は2027年8月を予定しているとのこと。

今回、青年座の劇団員であり「クラウドファンディングチーム」のメンバーである魏涼子さん、小暮智美さん、安藤瞳さんに、拠点移転の経緯と新たな挑戦への思いをお伺いしに、立教大学池袋キャンパスに程近い、移転したばかりの豊島区西池袋3丁目にある劇団青年座へお邪魔してきました。(聞き手:MAG2 NEWS編集部・田端宏章)

10年越しの紆余曲折を経て、池袋に新たな拠点を

──本日はよろしくお願いいたします。最近、ここ池袋に移転されたそうですね。以前、代々木八幡にあった「青年座劇場」の老朽化が理由とのことですが、こちらに来られたのはいつ頃でしょうか。

魏涼子さん(以下、魏):2025年4月に製作部と映画放送の事務所機能のみ移転し、劇団として本格的に移転したのが2026年4月になります。舞台芸術学院さんがこの建物から卒業されて、私たちが建物を丸ごと引き継ぐという形でスタートできるようになったのが今年の4月です。

──本当に最近のことなんですね。今回、新たな活動拠点として「演劇スタジオ」、つまり「自前の劇場」を池袋に整備しようとされているとのことで、具体的にクラウドファンディングの中身を教えていただけますでしょうか。 

小暮智美さん(以下、小暮):以前の拠点である渋谷区富ヶ谷の代々木八幡には自前の劇場がありました。そこで稽古や本番公演を行うなど、劇団の心臓部分だったんです。

ですが、建物の老朽化によって耐震基準を満たしていないことが判明し、惜しまれながらも2018年3月をもって「青年座劇場」は閉鎖されました。それから紆余曲折ありましたが、ご縁があってこの場所へ移ってまいりました。

今回新たにこの場所に移転させていただいたとき、一階に劇場機能といいますか、稽古場で使用できる空間はあるんです。舞台芸術学院さんが発表会をされていた場所ですね。その場所を「かつての青年座劇場のようにしたい」と思っていました。

左から青年座の小暮智美さん、魏涼子さん、安藤瞳さん

左から青年座の小暮智美さん、魏涼子さん、安藤瞳さん

ところが、いざ点検してみると、現在の建物ができてから30年以上もの時が経つ中で、照明の設備など老朽化している箇所も多くあります。

また、最初から舞台面が組まれてしまっていることなど、いろいろな問題点が見えてきました。お客さまを有料でお呼びするには、きちんと環境を整えたいなと。

これを機に「かつての青年座劇場のような自由な創造拠点を、もう一度自分たちの手にしたい」その思いで、どう資金を集めるか考えていました。そして、いろいろ考えた結果、クラウドファンディングが今の私たちにできる一番のチャレンジなのではないかと。

資金を集めて新しい創造拠点をもう一度、ということで、池袋元年の青年座に新しい命を吹き込むべく、今回このようなプロジェクトを立ち上げ、今に至っております。

──ありがとうございます。池袋に移転してきた青年座の建物の一階に「新しい劇場」をつくる、ということですね。

:はい、舞台芸術学院さんは77年ほどの歴史があって、1階のスペースをご覧いただくとわかるのですが、仕様や形があくまで生徒さんの発表会が行える場所としてつくられているんです。

そのためにまずは私たちが稽古場として使いやすくするために床をフラットにすること。そして劇場空間として違和感のないよう壁を黒く塗りブラックボックスにしたいと考えています。

そのために、皆さまからのご支援を募っているところです。

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──そのかかる費用を、今回クラウドファンディングで集めるということですね。実は、先ほどプロジェクトページを拝見したのですが、すでに第一目標の1500万円は達成されているので、ちょうど半分まで来たという感じですね。締切は今年の6月19日まで、最終目標の3000万円に向けて最後の活動を続けられるということですね。

:そうですね、最終目標に向かって頑張っているところで、まだまだこれからです!

池袋から消えた「文化」の香りが戻る日

──私も「東池袋」の出身で、東池袋5丁目の生まれです。実家がそのあたりで精肉屋をやっていました。子どもの頃はこの辺りにもよく自転車で遊びに来ていて、立教大学の近くをぐるぐる走り回っていましたよ。ですので今回、青年座さんが池袋に来られたという話を聞いて、新たな池袋の文化的な目玉スポットになればいいなと思います。かつての池袋は、セゾン美術館やスタジオ200、WAVE、ARTVIVANT、詩の本の店ぽえむ・ぱろうる、ACT SEIGEI THEATERなど、現代美術や演劇、現代音楽、映画などに関するスポットがたくさんあったんですが、少しづつ消えてしまったので、今回の青年座さんの移転は朗報ですね。

安藤瞳さん(以下、安藤):そう言っていただけて嬉しいです。池袋って、本当に文化の街だったんですね。理想としているのが「地域の人たちが交われる場所」、もちろん劇場として存在するんですけれど、ここを拠点として、池袋周辺の方たちとこの空間を通じて交流できる、交われる場所にゆくゆくなっていけたらと思っています。おっしゃるように、ひとつの「文化」としてここに劇場が存在する意味があるのかなと思います。

小暮:劇場という空間を失ったことで、改めて自分たちの拠点を求めたときに、このチームでも「なぜ私たちは劇場を持ちたいのか」「劇場がある街ってどういうことなんだろうね」ということを話し合って、考え直す時間を持たせてもらえたなと思います。クラウドファンディングは、お金を集めるとか、自分たちの拠点が欲しいから、ということももちろんあるんですけれども、そういうことを振り返らせてもらえるいいきっかけになったなと思っています。

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──劇場って「街の顔」になる部分ってあるじゃないですか。池袋も東京芸術劇場ができて、西口のイメージがかなり変わりました。あそこに大きな劇場ができたというのは、地域にとっても一つの大きな動きだったと思います。今回、こういう形で青年座さんにとって池袋が新活動拠点になっていく中で、新たな「街の顔」になっていただけたらと思っています。

小暮:ありがとうございます。代々木八幡で活動していたときは、商店会の皆さまと一緒になって、地域のお祭りに参加していました。「青年座のメンバーがいないと運営ができない」と仰っていただけるくらい頼りにしていただいて(笑)。地元の皆さまとのつながりを長い年月を掛けて作ってきたんです。

池袋でも地元のつながりを作っていきたいと先日、西池袋南町会の運動会に参加してきました。八つの支部があり、支部対抗の運動会なんですが、私たちの第五支部は7位でした(笑)。

でも「来年からは青年座さんが劇団員をみんな連れてきてくれたら1位になれるから」とおっしゃっていただき、まずは第一歩ですね。

こうやって、地域の方々と日々の積み重ねで関係性を作っていけたらと思っています。

安藤:消防署や警察署も近いので、防災や防犯について地域でやれることなどを「ぜひここで、みんなでやりましょう」という場所になれたらとも考えています。

たとえば、AEDの講習を受ける場所にしたりとか、この場所の特性を生かした何かができたらいいなと思いますね。

池袋から「新たな文化発信地」を目指して

──夢は尽きませんね。まずは、ぜひ劇場「再生」のプロジェクト達成を目指して頑張っていただきたいと思います。

:このクラウドファンディングのページに、私たちの思いなど、いろいろなことをいっぱい書かせていただいていますので、ぜひお読みいただければと思います。

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このクラファンもそうなんですけれども、今お話しされていた「文化」を「芸術」を伝えていく場所というのが都内から次々と消えていっている中で、運良くご縁をいただいて、この場所に私たちの拠点を置かせていただけるのが、ものすごく幸せだなと思います。今、この時代に参加させてもらえるというのが本当に嬉しいです。

来年(2027年)8月に改修工事は終了予定。そして9月に杮落し公演を予定しております。

──本日は、いろいろとお話をいただきありがとうございました。ぜひ、クラファンが達成しますよう応援しております。

全員:こちらこそ、ありがとうございました!

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【取材を終えて】

池袋という街の周辺で小・中・高と多感な時期を過ごした私にとって、80年代末から90年代にかけての池袋は、まさに「文化の中心地」と思える場所でした。世代的なものかもしれませんが、あの西武百貨店の堤清二さんが作り上げた「セゾン文化」の雰囲気が薄れていくにつれ、街から少しづつ文化の香りが消えていくような気がして、ここ最近は池袋へ遊びに行っても少し寂しい気持ちがしていました。

そんな池袋に、劇団青年座の本拠地という「文化的発信地」が新たにできると聞いて、元カルチャーの街・池袋に「希望の光」が見えた気がしました。街に一つ劇場ができることで、演劇に興味を持つ人が経営するカフェができたり、書店ができたり、ミニシアターができたりと、池袋という街に良い相乗効果が生まれることを願ってやみません。池袋の東口で育った人間としては、これから「びっくりガード」をくぐるのが楽しみになりそうです。(取材:MAG2 NEWS・田端宏章)

取材協力:濱田髙志

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劇団青年座が、演劇スタジオ開設のためクラウドファンディングを開始 -「青年座劇場」閉場から8年。未来を拓く創造拠点をもう一度。-

劇団青年座が、クラウドファンディングサービス「READYFOR」にて、演劇スタジオ開設のために「劇団青年座|池袋で創造拠点を拓く。悲願の劇場再開への一歩を共に」を公開。3000万円を最終目標に、本日2026年4月27日(月)から6月19日(金)まで支援を募っています。

(プロジェクトURL:https://readyfor.jp/projects/seinenza

2018年3月、50年を超え200本以上の作品を産み出してきた「青年座劇場」が、建物の老朽化により惜しまれつつも閉鎖されました。その中で痛感したのは、自分たちの手で自由に作品を創ることができる場所の重要性だといいます。劇団本公演だけでなく、劇団員誰もが自由に企画し上演することができた「青年座スタジオ公演」は、劇団員の演劇的欲求を満たす場であり、若手劇団員の内外へのアピールの場として劇団の活性化に大きな役割を果たしてきました。

こうした中、奇跡のような巡り合わせで、青年座が西池袋の「舞台芸術学院」の建物を引き継ぐことになり、今こそが、自分たちの創造拠点を再び手に入れる二度とないチャンスだと、劇団内で気運が高まったそうです。しかし、演劇スタジオとして始動するには舞台設備や電気系統の工事に総額3,000万円以上が必要とのこと。そこで、劇団の悲願である「新たな創造拠点の確保」のため、クラウドファンディングへの挑戦を決意。以下が、その概要になります。

クラウドファンディングプロジェクト概要

タイトル「劇団青年座|池袋で創造拠点を拓く。悲願の劇場再開への一歩を共に」
URLhttps://readyfor.jp/projects/seinenza
募集期間2026年6月19日(金)23時まで
資金使途・目標金額
 第一目標金額:1,500万円(エントランス整備・演劇スタジオへの改修費用として) ※5/26に達成
 第二目標金額:3,000万円(受変電設備の交換のための費用として) ※5/27時点でまだ未達成
・形式:通常型 / All in形式  ※All-inとは、目標金額の達成の有無に関わらず、集まった支援金を受取ることができる形式
・リターン:5,000円~3,000,000円まで計22コース
「限定クリアファイル」「劇団員セレクト!お楽しみ袋」「青年座公演へのご招待」「新スタジオお披露目パーティご招待」「稽古初日/顔合わせへのご招待」など

お問い合わせ先:
青年座製作部: 川上
EMAIL:kawakami@seinenza.com
TEL:03-5904-9481

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