【円安?】アメリカ企業が日本人エンジニアを雇いたがる理由

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円安が進んだ今、北米の企業が日本に開発拠点を置きたがっているという記事を、シアトル在住で世界的知名度を誇る天才プログラマー・中島聡さんがメルマガ『週刊 Life is beautiful』で紹介しています。もっとも、彼らが日本人エンジニアを雇いたがるのは円安だけが理由ではないのだとか。さらに中島さんは、高給取りと思われているシリコンバレーのエンジニアたちの実生活についても言及。これがけっこう意外ですよ。

北米企業が日本に開発拠点をおきたがる理由

「日本なら半額でいいエンジニアがいる」 「円安」で今、起きているコト

円安のために、日本に開発拠点を置きたがる北米の企業がある、という話です。インドや台湾にいる優秀なエンジニアは、どんどんと米国に出てきてしまうので、他の国と比べると、優秀な頭脳をもち、かつ勤勉な人が雇える日本は、円安が始まる前から魅力的な市場でしたが、言葉の壁と流動性の低い労働市場がその活用を阻んでいました。

私がシアトルで起業した UIEvolution が日本に開発拠点を持ち、そこに優秀なエンジニアを集めることが出来たのは、日本人が創業者であったために比較的スムーズに言葉の壁が乗り越えられたのと、私がブログを使って効率的なリクルーティングが出来たためです。

しかし、ここまで円安が進んだ上に、優秀な理系の学生を採用していた家電メーカーなどの国際競争力が落ちて人材の流動化が始まっているので、日本に開発拠点を持ちたがる北米の企業が増えても不思議はありません。

極端な円安は、日米で同じような仕事に就くエンジニアの間に不公平感を生みかねないので、そこは物価も考慮して納得してもらうことが必要です。

シリコンバレーで働くエンジニアたちの給料が高いことがしばしば指摘されますが、実際に暮らすとなると、安全な暮らしと適切な教育環境のためには家族持ちは高級住宅地に住まなければならず、そうなると、10万ドルの年収でも厳しいというのが現実なのです。

10万ドルの年収は今の為替相場だと1,250万円ですが、実際の生活実感としては、シリコンバレーで1ドル80円ぐらい、シアトルで90円ぐらいでしょうか。

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『週刊 Life is beautiful』2015年6月9日号より一部抜粋

著者/中島聡(ブロガー/起業家/ソフトウェア・エンジニア)
マイクロソフト本社勤務後、ソフトウェアベンチャーUIEvolution Inc.を米国シアトルで起業。IT業界から日本の原発問題まで、感情論を排した冷静な筆致で綴られるメルマガは必読。
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