なぜ韓国の大統領は、いつも悲惨な末路を迎えるのか?

 

これに対して朴槿恵大統領は主席秘書官を刷新し、内閣改造で乗り切ろうと目論んでいるようですが、それで人気が回復するとは思えません。朴槿恵大統領の任期はあと1年半ほどです。朴槿恵大統領は、大統領の任期を2期10年に延ばす構想を持っているといわれていますが、それも水泡に帰したとでしょう。このままでいけば、大統領退任後に逮捕されるのは確実でしょう。

韓国の歴代大統領のほとんどは、暗殺されるか逮捕されるかといった悲惨な末路が待ち受けています。言うまでもなく朴槿恵大統領の父親である朴正煕も暗殺されました。韓国には朴槿恵大統領を含めて、11人の大統領が誕生していますが、その半数近くが尋常ではない辞め方や死に方をしています。

  • 李承晩:不正選挙に反発した民衆のデモにより失脚、アメリカに亡命
  • 朴正熙:在任中に暗殺
  • 崔圭夏:全斗煥の粛軍クーデターにより辞任
  • 全斗煥:退任後に粛軍クーデターや光州事件で死刑判決
  • 盧泰愚:退任後に粛軍クーデター、光州事件、不正蓄財で死刑判決
  • 盧武鉉:在任中の収賄疑惑が持ち上がり、退任後に自殺

あまりに多くの大統領経験者が、次の政権によって裁かれたり、悲劇的な終末を迎えるため、新大統領の誕生は「5年に1度の易姓革命」とも呼ばれるほどです。

朴槿恵大統領は母も父も凶弾に倒れましたが、娘までが退任する1年半後に逮捕されるとなれば、これは彼女自身の問題のみならず、韓国人のさだめとしかいいようがありません

なぜ韓国の大統領は悲劇的な末路しかないのか。ひとつには朝鮮半島の特色でもある「朋党の争い」(党派同士の暗殺や虐殺の伝統がいまだに残っていることが挙げられます。朝鮮半島では必ずといっていいほど、仲間割れや派閥争いが起こり、それが亡国の原因となってきました。

統一新羅と高麗朝では、歴代国王のほぼ2人に1人が殺されるか非業の死を遂げています。李氏朝鮮が滅亡したのも、もともとは高宗の父親である興宣大院君と、高宗の嫁である閔妃との衝突が原因でした。そのためにそれぞれが外国勢を味方に引き入れるといったことを繰り返したため、朝鮮半島が戦乱の地となってしまったのです。日清戦争にしても、この李氏朝鮮内での派閥闘争が遠因となって起こったことです。

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