ドローンは使ってません。空中写真家が撮影した俯瞰アートの世界

2016.11.21
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みなさんが「絶景」と聞いて思い浮かべる景色は何ですか?マイナスイオンたっぷりの巨大な滝、桜や紅葉の名所など、世界中で観光スポットとして広く知られている場所はさまざまです。そのような場所に出向き、記念に写真を撮る人も多くいますが、今回ご紹介するのは、普段自分が生活している圏内から「絶景を生み出した」アーティスト。あなたもその世界観に魅了されること間違いなしです。

写真への熱意と「空が飛びたい」強い想いが叶えた天空アート

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image credit/Kacper Kowalski

MY MODERN METによると、ポーランド人のKacper Kowalski氏は、建築家としてキャリアを積み、将来の成功を約束されていましたが、以前から抱いていた「空中飛行」がもたらす自由とアドベンチャーへの憧れが、彼を空中写真家の道へといざなったようです。

Kowalski氏は、飛行の旅の感動を、写真で表現することにし、それからというもの、彼は何時間も空中で過ごすようになったのです。

2006年から、Kowalski氏は空中写真家として活動を開始し、これまでにthe World Press Photo awardを3度受賞しています。

彼の作品にはドローン等は使用されず、ただひたすらに、彼自身が飛行しながらシャッターチャンスを狙っているのだとか。

さらに、彼が捉えるのは、世界的に有名な絶景ポイント」ではなく、自身が日常的に行き来している郊外。

image credit/Kacper Kowalski

そこで生み出された彼の作品は、季節の移り変わりを見事に捉え、鮮やかに紅葉した木の葉や荒野、ポーランドへの冬の訪れなどを見事に切り取っています。

また、彼が賞を獲得したシリーズ『Side Effects』では、人と自然との繋がりを表現しています。

人工的に造り上げられた景色と、自然によって生み出された景観とのコントラストは、誰の目にも印象的に映るものです。

The New York Timesのインタビューで、「地上150メートルの上空では、日ごろ見慣れているはずのすべてが新しく見える。多くの空中写真家たちは、遠くまで足を運び、エキゾチックな場所、ピラミッドなどといった珍しくて素晴らしい建造物のある場所を空中から写真におさめようとする。それに対して私がしていることは、ちょっと難しくて、もっと挑戦的で緻密なものだ」と話しています。

「日ごろ見慣れた空間の中に何か新しく魅力的なものを見つけることは、自分にとって何よりの喜びであり、それが至福なのだ」そうです。

Kowalski氏の作品は、現在ニューヨークのThe Curator Galleryにて公開中です (12月17日まで) 。

image credit/Kacper Kowalski

image credit/Kacper Kowalski

image credit/Kacper Kowalski

image credit/Kacper Kowalski

image credit/Kacper Kowalski

人工的な産物を手がけた誰しもが、空中からの様子や自然とのコントラストなどは一切想定していなかったはず。

まさに無意識的、無作為的に作り出されたコントラストが、私たちを魅了するのかもしれません。

ちょっと視点を変えれば、あなたの日常にもアートは転がっているのかも。

彼のインスタにもたくさん写真が掲載されているので、チェックしてみてください。



 

Kacper Kowalski 公式インスタグラム

Source by: MY MODERN MET

Image by: KACPERKOWALSKI 

文/貞賀 三奈美

 

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