中国人はなぜ転職を繰り返すのか? 背景に日系企業へのガッカリ感

china20170913
 

「日本語を話せない中国人の社員が何を考えているかわからない」、あるいは「昨日まで仲良く話していた中国人が急に退社してしまった」等といった嘆き、在中日本人ビジネスマンの口からよく聞かれます。彼ら中国人社員は何を考え、どんな判断基準で行動しているのでしょうか。今回の無料メルマガ『上海からお届け! 簡単3分、写真で覚える生活中国語』では、中国在住の日本人著者・ジンダオさんが、「中国人に聞いた転職理由」を、彼らの心理を交えながらリアルに紹介しています。

日本人には分からない転職を繰り返す中国人の心理とは

中国でビジネスをしていると日本人から「中国人スタッフが定着しない」という話をよく耳にします。

なぜ定着しないのか。裏を返せばなぜ転職を繰り返すのか? と言うことですが、実際の中国人に聞いた転職理由を元にご紹介したいと思います。ポイントは「給与」「日系企業への失望」のようです。

やっぱり給与が一番なのだ! の中国人

よく耳にするのが「給与の問題」。他社の募集要項の給与と自分の今の給与を比較。同じ仕事をするならば、転職して高い給与を得ようという考えです。

特に工場で働く工員の場合は肉体労働であるため、同じ時間働くなら一元でも高い方が有利という考え。工場訪問すると門の前に張られた募集要項を眺めている中国人を見かけます。

また営業職の場合、こんな話を聞いたことがあります。

新卒のため安価に採用。翌年の契約更新を迎えたが思ったほど基本給がアップしなかった自分の日本語能力などを他社と比較すると他社が魅力的。という判断基準で転職を行う場合もあります。

企業も限られた予算内で賃金の計画を行っているのは十分承知しますが、基本給のアップ額が他のスタッフと横並びであったりすると、彼らも同級生のネットワーク同じ業種情報の給与と比較して検討を行っています。

「転職する事になった」と挨拶に来た、私の担当窓口をしてくれていた営業職で新卒2年目のスタッフは、現行会社のアップ後の給与と他社に転職後の給与を比べても、他社の方の給与が断然高く今後の事を考えても転職が有利と思ったから、と教えてくれました。

実際、見積もり提供などの対応もよく日本語も上手かったので助かっていたのですが、彼の転職理由を聞くと「仕方が無いのかな」と思った瞬間でした。基本給は500元アップ、転職したら3,000元アップ。アップ額の差6年分。まー考えてしまいますよね。

来年は希望に沿うようにするからなんて説得はしない方が無難です。「日本人は数年で帰国する」と中国人は分かっています。無責任な言葉は信頼を無くし、その言葉が中国人同僚に広がる可能性が高いです。

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