日本で横行する、中国人観光客を狙った違法「白タク」に大打撃

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営業許可を受けずに自家用車等を用いてタクシー営業を行ういわゆる「白タク」。道路運送法に抵触する犯罪行為とされていますが、10月末にも中国籍の男らが逮捕されるなど、中国からの観光客を対象とした「中国式白タク」が横行しています。しかし、このような行為が日本のタクシー業界を進化させるとするのは、台湾出身の評論家・黄文雄さん。黄さんはメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』の中で、「中国人の違法行為がもたらす意外な効用」について記しています。

【日台】中国人の違法行為が日本のタクシー業界を進化させる?

台湾はグルメ、エステ、絶景などの観光地として世界中から観光客が訪れています。先週「台湾の『民泊』が中国人を相手に大失敗、高まる日本人への期待」でもお届けしたように、台湾の民泊が過剰気味なのは、世界からの観光客の多さにも起因しています。

そして、宿泊のほかに観光に欠かせないのが交通です。現在、台北市内および桃園国際空港まではMRTが開通しており、かなり便利になりました。MRTが整備されるまでの主な交通手段はバスだったことを考えれば、ずいぶんと便利になったものです。

特に中国語を話せない外国から来た観光客にとって、現地のバスに乗るのは結構大変なことです。もしも行き先の違うバスに乗ってしまったら、それこそ路頭に迷ってしまう危険もありました。ただ、台湾はタクシーが日常的に利用できる料金ですので、観光客のみならず、地元の人々もタクシーはよく利用しています。MRTが便利になった今でも、タクシーは庶民の足としてまだまだ活躍しています。日常的にタクシーを利用しない日本とは、その点が大きく違うところでしょう。

逆にタクシー運転手からすれば、大都市におけるMRTの拡大は客足を奪うライバル的存在です。もともと、多くの人が足替わりに頻繁に利用できるように安く設定されたタクシー料金でしたが、客の多くをMRTに奪われてしまったのでは商売が成り立ちません。それに加えて不況のあおりを喰ったサラリーマンが、タクシー運転手に転身するケースが増えており供給過多となり、需要と供給のバランスが崩れてしまっているのです。

このタクシーを取り巻く環境も、ネット社会の進化によって大きく変ってきているようです。数年前から、タクシーの配車をスマホアプリでできるようなシステムが台湾でも登場しています。アプリの種類は、「台灣大車隊55688」「Easy Taxi」「Taxi go」などいくつかあり、どれもサービス内容は同じようなものです。中でも多く利用されているのは「台灣大車隊55688」ではないでしょうか。

台灣大車隊55688

これらはあくまでも配車サービスであり、タクシーを呼び出して目的地まで連れて行ってもらうサービスです。利用者が増えているのは、車を手配してから迎車までの時間が5~10分程度と、待ち時間が少ないことも大きいのですが、特に観光客にとって便利なのは、出発地と目的地を事前入力するために、中国語ができなくても行き先を伝える際の苦労がないという点です。

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