日本で横行する、中国人観光客を狙った違法「白タク」に大打撃

 

また、ライン経由で予約する場合は、友人と配車のやりとりの内容をシェアできるため、自分が今どこにいるかが友人にも明白に伝えることもできます。さらに、目的地までの経路を指定することができるアプリもあるため、ドライバーが故意に遠回りをして運賃を上げるような行為を防止できます。

日本ではこうした違法行為はあまり聞きませんが、台湾や中国ではよくある話です。さらに言うと、タクシードライバーによる連れ去りなどの犯罪防止にも役立ちます。これらのメリットから、台湾でもタクシー配車アプリは徐々に広がりを見せていますが、台北などの都市部では流しのタクシーがとにかく多いため、配車アプリを使うまでもない場合も多くあります。

ただ、都市部でも雨の日やコンサートなどのイベント会場などで、タクシーがつかまりにくい場合は便利でしょう。

ちなみに台湾のタクシー最大手、台湾大車隊と京都のタクシー大手MKグループは、2016年度中にも両社のスマートフォン配車アプリを連動させ、日本と台湾の間で、現地で使っていたアプリで渡航先でもタクシーが呼び出せるようにする予定だそうです。

MKグループ、台湾タクシー最大手と配車アプリ連動

ところで、タクシー配車アプリといえば、「ウーバー」が有名でしょう。もちろん台湾にもやってきました。ただ、台湾では「ウーバー」はなかなか苦戦しているようです。台湾は、基本的に日本同様に白タクが禁止です。タクシー業界を守るために、タクシーとして許可を得なければ営業することができません。今のところ日本でも、タクシー業界の規制によりウーバーは締め出されている格好です。

ウーバー「縛りだらけ」の日本参入 タクシー業界抵抗 京都・京丹後市で事業開始

台湾も同様で、ウーバーは2013年に台湾に進出し、ユーザー数は100万人を超えましたが、政府から事実上の白タク行為と問題視され、罰則が強化されたことなどを受けて、サービスを一時停止していました。その後、レンタカー事業者との提携により再開。さらに、タクシー業者と提携して、利用者の増加を目指しています。

ウーバー、台湾のタクシー業者と提携 新サービスを台北で運用開始

白タク行為で問題なのは、事故が起きたときの責任の所在や保障があいまいな点です。もちろん、許可を得て営業しているタクシー業界も大打撃を受けてしまいます。このあたりは、利便性を求めるか、安全性と業界保護を優先するか、難しいところでしょう。

とくに日本では、中国人観光客を狙った中国人による白タク行為が非常に問題となっています。中国本土から予約して、空港送迎、観光地案内などを行う違法な白タクが横行しています。

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