こうした状況に危機感を持った北九州を地盤とするタクシー国内最大手の第一交通産業は、タクシー配車と相乗りサービスで世界最大手の中国・滴滴出行と、2018年春にも東京都内で配車アプリを使ったサービスを始めることを打ち出しました。
13億の人口を抱え、タクシーが捕まりにくい上海などの中国都市部では白タクが解禁されており、滴滴出行も中国では白タク配車を行っています。しかし、そこまで需要が逼迫していない日本で、違法白タクが横行すればタクシー業界は大打撃です。
そこで、第一交通は滴滴出行と組み、正規のタクシー配車を行うことで、白タク被害を防ごうというわけです。中国人が他国でルールを守らないための防衛策ですが、これが新たなサービスと利益の向上に資すれば何よりです。中国人のマナー違反は迷惑以外の何物でもありませんが、それを撃退するための方法が、思わぬ副産物を生むことも期待できます。
日本も、都心以外の地方では流しのタクシーを捕まえにくい状況があるのは確かです。そうした不便さを配車アプリが解消してくれる可能性もあります。海外でこれら配車アプリを、英語、日本語、中国語対応のものと適宜選んで使えば、旅のプランを大きく変えるほどの時間の短縮につながります。観光客にとって配車アプリは観光に欠かせないツールの一つになりつつあります。
台湾は世界のビジネス環境ランキングにおいて上位に入るようになり、確実に先進国となりつつあります。特に老人に対する福祉の充実ぶりは、世界のなかでも突出しています。新幹線のシルバー料金は驚くほど安く、中国人観光客が偽装老人としてその制度を悪用するケースも出てきているため、対象者は台湾国籍に限定されるようになりました。やはり台湾も日本同様、中国人対策を強化せざるをえなくなっています。
それはともかく、台湾社会は一歩ずつですが確実に成熟している一方で、美麗島と言われた美しい自然景観も保たれています。そんな台湾の両面を旅するためには、配車アプリを使って時間を有効利用するのもひとつの方法です。
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