前回掲載の「腹筋にコミットするパーソナルジム『ボスティ』が注目される理由」等でもお伝えしたように、パーソナルジムが大流行している中、これまでとは全く違う「部位」を鍛えるジムが注目を集めています。それが日本初のパーソナル脳トレーニングジム、「ブレインフィットネス」。今回の無料メルマガ『MBAが教える企業分析』では著者でMBAホルダーの青山烈士さんが、同ジムの戦略・戦術を詳細に分析しています。
アイデアのつくり方
日本初のパーソナル脳トレーニングジムとして注目されている店舗を分析します。
● ブレインフィットネス(株式会社イノベイジが運営するパーソナル脳トレーニングジム)
戦略ショートストーリー
脳機能の低下を感じはじめる45歳以上の方をターゲットに「各分野で活躍中の専門家」に支えられた「認知症を予防できる」「脳が活性化する」等の強みで差別化しています。
日本初のパーソナル脳トレーニングジムとして、様々なメディアで取り上げられることで認知度を高め、ここでしか得られないサービスで顧客から支持を得ています。
■ 分析のポイント
アイデアのつくり方
ジムと言えば、体を鍛える所というのが、一般的なイメージだと思いますので、脳の健康を目的とした脳を鍛えるジムとは斬新ですよね。
名著『アイデアのつくり方』の著者であるジェームズ・W・ヤング氏の言葉で有名な「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」というものがありますが、まさに、ブレインフィットネスの事例はこのことを再認識させてくれます。
では、ブレインフィットネスは何を組み合わせているかというと、メインは「脳トレ」と「ジム」ですね。そのほかには、
- 「脳トレ」と「食事指導」
- 「脳トレ」と「睡眠指導」
- 「脳トレ」と「ストレスケア」
- 「脳トレ」と「脳活動を可視化するデバイス(血流測定器、脳波測定器)」
など、「脳トレ」をベースに様々な要素を組み合わせています。そして、独自の「脳トレ」プログラムは東北大学加齢医学研究所の認知症の将来発症リスクを減らすことにつながる知見と医師、管理栄養士、睡眠テクノロジー企業、フィットネス指導者、マインドフルネス指導者らの知見を組み合わせることで開発されています。
「脳トレ」と「ジム」という組み合わせは斬新ですが、ブレインフィットネスで特徴的なのは「脳トレ」と「ジム」という単一の組み合わせだけでなく、「睡眠指導」や「ストレスケア」など、複数の要素を組み合わせていることです。様々な要素が組み合わさっていることで、他社が真似しにくくなりますので、戦略的にも優れた打ち手だと思います。
「脳トレ」や「ジム」、「ストレスケア」など、一つひとつは、既存のものですが、組み合わせることで新しいものになるということを示した好事例だと思います。
今後、ブレインフィットネスがどのように拡がっていくのか注目していきたいです。