いま、レンタカーならぬ「レンタル高級ブランド時計」が人気になりつつあることをご存知でしょうか。今回の無料メルマガ『MBAが教える企業分析』では著者でMBAホルダーの青山烈士さんが、そんな最新のサービスで注目を集めている企業、その名も「カリトケ」の戦略・戦術を詳細に分析しています。そして、カードのマルイでおなじみ株式会社丸井が全面バックアップする理由とは?
購入へのハードルを下げる
ブランド腕時計のレンタルで注目を集めている企業を分析します。
● モバイル端末向けのゲーム開発などを行っているクローバーラボが展開しているブランド腕時計のレンタル店「KARITOKE(カリトケ)」
戦略ショートストーリー
高級時計を試してみたい方をターゲットに「月額レンタルサービスのノウハウ」に支えられた「腕時計のある生活を、気軽に楽しめる」等の強みで差別化しています。
さまざまなブランドの高級時計を品揃えすることで注目を集め、初回登録時に使える「50%オフ分のクーポン」をプレゼントすることで、顧客が試しやすくしています。
■分析のポイント
購入へのハードルを下げる
ブランド腕時計に関心を持っていて、欲しいと思ったとしても高額なため、購入するにはハードルが高いと感じるビジネスパーソンが多いようです。そのようなビジネスパーソンの思いに応えるサービスとして、借りることで、ブランド時計を着けるという新しい選択肢を提供しているのが、KARITOKE(カリトケ)です。
借りることのメリットの一つとして考えられるのが、複数の腕時計を試すことができることです。
ただでさえ、購入するにはハードルが高い高級腕時計ですからさすがに、何本も持つことは難しいですよね。ですので、毎月異なるブランドの時計を着けるということは非常に難しいことだと思います。
しかし、レンタルであれば、月額料金を支払えば毎月のように異なるブランドの時計を着けることができるわけです。これは、日常では、なかなか体験できない価値と言えるでしょう。
そして、今回のポイントですが、様々な腕時計を試すことで、お気に入りの一生ものの腕時計と出会うことになれば、愛着もわくでしょうし、高かった購入へのハードルは、多少低くなると思います。これが、マルイグループが協業している理由のひとつだと思われます。
KARITOKE(カリトケ)をとおして、ブランドの時計を試す機会を提供し、購入へのハードルを下げ、購入したいと思った顧客がマルイグループの時計販売店に流れていくというシナリオを描いているのではないでしょうか。
つまり、マルイグループにとって、KARITOKE(カリトケ)は、新たな顧客を獲得するということに貢献できると見込まれているということでしょう。
気軽に試せないものを気軽に試したいというニーズに応えるサービスは、今後拡がっていくように感じています。例えば、高級車のレンタルやブランドバックのレンタルなどは、人気のようですしね。
高級腕時計のレンタルは、まだ市場としても立ち上がったばかりですので、今後が楽しみです。