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海外リタイア生活は疲れる。タイ移住経験者が帰国して除雪作業をする理由=栗原将

アーリーリタイア生活を望む声が多く聞かれますが、経験した僕の考えは「完全リタイアはおすすめしない」です。現在、北海道の除雪作業を行っており、「肉体労働バンザイ」という心境です。(『海外投資とネットビジネスで海外移住、ハッピーライフ』栗原将)

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リタイア生活は疲れる

2012年に会社員を辞め、タイに移住してからもうすぐ10年になります。

この10年の中で、株や為替の画面を見る以外、ほとんど何もしない時期がありました。お金は増えていったのですが、正直、再び、あの頃のような生活に戻ろうとは思っていません。

その理由は、直接、人から感謝される実感がなく、「生きがいを感じなかった」からです。

ここで僕が言いたいのは、株や為替トレーダーが悪とか、社会貢献していないという意味ではまったくありません。

トレードにより、証券会社や取引会社に利益を与えていますし、株を購入することは企業に投資することですから、そこで十分な社会貢献になっています。

しかし、自宅にこもって、対話するのは画面だけ、人間とはチャットだけのやりとりを続けている中で、健全な心身状況を維持するのはなかなか大変なことが分かったのです。

「肉体労働バンザイ」と思う現在の心境

昨年末から日本に一時帰国し、北海道・旭川に来て、除雪作業をやっています。

依頼主の多くは一般家庭で、自宅ガレージや玄関が雪で埋まってしまい、生活がままならなくなった人たちです。

ある意味、ライフラインでもあります。ですから、行く先々で大変に感謝されます。

おまけのストーリーですが、除雪費用に加え、お礼としてジュースやらおやつなどをあちこちでもらいます。特に多いのが「みかん」で、食べても食べても減りません(笑)。

このように感謝されつつ、除雪作業では、重機では取り切れない雪を手作業でかき集めたりする
作業があります。これはまさに肉体労働で、かなり体力を使います。

ですから、朝から夕方まで数軒回って帰宅したら、肉体的にはドッと疲れを感じる。

でも、デスクワークでの疲れと違って、美味しい夕ご飯と日本酒などの美味しいお酒で一息ついたら、ぐっすり眠れてしまいます。

バンコクでも日本酒は買えますが、だいたい3~4倍の値段ですし、生酒の限定品などは手に入りません。ですから、日本は天国です。

そして、朝、すっきり目覚めたら、また除雪に向かう毎日。

Next: リタイアは目標に非ず。「好きな仕事をするための投資」という考え方



「好きな仕事をするための投資」という考え方

ただ、除雪だけでは、1年間の生活費は賄えません。せいぜい、12月から翌年2月までしか除雪需要はありませんからね。

この点に対する解決方法のひとつが、日ごろから投資などでお金を稼ぐ・増やすスキルを持っておくこと。

そのうえで、自分が本当に好きな仕事、やりがいを感じられる仕事に取り組むのは、アリだなあと感じています。

以前、老後資金2,000万円問題が報道されました。報道に惑わされ、「どうしよう、どうしよう」と不安になってもまったく意味はありません。

個人的には、「不足だとしても、生活費くらい稼げる仕事を今から探しておけばいいだけだ」このように考えています。

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image by:uzhursky / Shutterstock.com

海外投資とネットビジネスで海外移住、ハッピーライフ』(2021年1月10日号)より
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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9年間のタイ、フィリピンでの海外移住生活から帰国し、北海道暮らしをはじめた50歳男子が、久々の日本生活から感じることや、海外生活のメリット・デメリット、そして、地方暮らしの実際について独自目線で語っていきます。

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