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「絶対にiPhoneが欲しい」中学生の娘にAndroidを与えるのは虐待かしつけか?私の考え=午堂登紀雄

中学生の娘にはAndroidスマホを持たせたいと思っているが、本人は「絶対にiPhoneがいい」と言って譲らないとの相談を受けました。相談者さんはコスパ面と自由度の高さでAndroidを推しているとのこと。この場合、私はAndroidを使わせるべきだと考えます。(『午堂登紀雄のフリー・キャピタリスト入門』午堂登紀雄)

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プロフィール:午堂登紀雄(ごどう ときお)
米国公認会計士(CPA)。1971年生まれ、岡山県出身。中央大学経済学部 国際経済学科卒。株式会社エディビジョン代表取締役。一般社団法人 事業創造支援機構代表理事。

「iPhone以外はムリ」という中学生の娘

中学生の娘にiPhoneを与えるべきか、Androidを与えるべきか。迷っているという親へのアドバイスを求められました。相談内容をまとめると、次の通りです。

親はAndroid端末を愛用しており、主にコスト面と自由度の高さから、娘がスマホを欲しがったらAndroidを使わせようと思っていた。しかし、これに娘さんは猛反発。仲の良い友人がみんなiPhoneを使っていることもあり、「絶対にiPhoneが欲しい」「iPhone以外はムリ」と譲らないのだとか。

娘さんがあまりにiPhoneに固執するので、Androidだとイジメられるのか?とも心配になったそうです。さらには、反抗期の可能性はあるものの、ここまで頑なにモノを欲しがったのは初めてで、希望が通らないことで歪んだ性格になってしまうのではないか、また無理やりAndroidを使わせるのは虐待になるのか?とも考えて悶々としているそうです。

さらに付け加えて、相談者さん自身が中学生だった頃を思い出しても「友人と同じものを持ちたい」という気持ちも確かにわかるとのこと。当時、友人がみんな持っていたゲーム機「PlayStation」を欲しがったところ、親の反対にあって別のゲーム機を購入することになったのだとか。面白いゲームが多く結果的に満足はしていたが、友達の話題に入れず少しさみしかったことを思い出したそうです。

とはいえ、わざわざ高価なiPhoneを買う理由がなく、周りに流されずに判断できる人になって欲しいという願いもあって、iPhoneを買い与える決心が付かないようでした。

今回はこの相談について、私の考えを述べたいと思います。結論を先に言うと、私なら、Androidを使うように説得します。

Androidはコスパがいい

私もAndroidユーザーです。なぜなら、スマホにそれほど性能を求めてはおらず、高価なiPhoneを使う必然性がないからです。

AndroidのSIMフリー端末は全体的にコスパが良く、キャリアに対応している端末かどうかをそれほど気にすることもなく、他の格安SIM業者へ乗り換えできます。

さらにはパソコンもWindowsで、ブラウザもChromeとFireFoxをメインに使っているため、データ(アプリ・ブックマーク・検索履歴など)の同期も便利なのです。

なので、おそらくわか家でも、子どもからスマホが欲しいと言われれば、Android端末の中から選ばせると思います(ただし、息子がデザインや楽曲制作などといったクリエイティブ分野を志向し、パソコンもmacを使うならiPhoneにさせるとは思いますが)。

気になるのは「友人のiPhone率が高い」こと

しかし……日本でのiPhone率は高く、周囲の友達がみんなiPhoneだったらどうするか。

多感な中学生で、しかも同調圧力が強くなりがちな女子であったら?「なんでiPhoneじゃないの?」「Androidなんてダッセーな」などと、仲間に溶け込めないとか会話に入れないないかもしれない(知らんけど)。

そういえば私も、実家が山の中腹にあったため、フジテレビ系列の電波が入らず、観られませんでした。それで、学校に行っても人気番組の話題についていけず、グループの末席に座って、ただ合わせて笑っていたことを思い出しました。

さらに私が小学生3年生か4年生の頃、任天堂から初代ファミコンが発売され、その後もゲームウォッチなどがブームになりました。とはいえ、当時はなかなかゲームを買える家庭は多くなかったため、ゲームを持っている友達の家に集まって一緒に遊んでいました。

しかし、いまはそういう時代でもないのでしょう。特にスマホはパーソナルなツールですし。

それに、男の子にとってはゲームが共通言語であるのと同じく、女の子にとっても同じiPhone端末は「仲間の証し」「自分がそのグループの一員である会員証」のような存在なのかもしれません。

そのため、ここは親として心が揺れる場面ですね。

Next: Androidを使うよう説得すべき?「よそはよそ、ウチはウチ」の正しさ



他人と違う尊さ、他人と同じ気持ち悪さを知れ

それでもやはり、私は安易な同調はさせたくないので、ひとまずAndroidで説得に当たると思います。

むろん、これは私の価値観の押し付けに過ぎないとはわかっていますが、(良い意味で)「他人と違う」ことの尊さ、「他人と同じ」という気持ち悪さを、しっかり認識して欲しいと考えています。

私自身、幼少期の頃から親に「よそはよそ、ウチはウチ」と言われて育ちました。そのせいか昔から他人と同じことを敬遠する傾向があり、たとえばローラースケートが流行ったときも、皆が黒や青のスケートを履いていたため、自分はあえて黄色のスケートを選んだのを覚えています。

学生時代は学校という閉じた世界が生活の中心ですから、そこで仲間を作れないことは生存本能を脅かすことに等しい。だから友達と同じでいたいという気持ちはわかる。

しかし社会に出れば、人と同じことはほとんど価値を持たない。学校を出てからの人生の方が圧倒的に長いわけですから、誰かの真似や同調圧力に屈しながら生きて欲しくない。

他者の影響は受けたとしても、それらを自分の価値観で咀嚼し熟成させ、組み換え発展させ、本人の中からにじみ出てきたものこそ、個性でありオリジナルです。

自分の意見に根拠を持たせる

また、他人に流されて判断したことは、自分の頭で考えていないため検証できません。

検証できないことからは教訓も抽出できない。教訓が得られなければ次に活かせない。それでは自分の意思決定能力は向上しない。

たかがスマホですが、こういう小さな決断の積み重ねが人生を形成するわけですから、私は「みんなそうしているから」「〇〇ちゃんのウチではそうしているから」などという理由では却下します。

本人自身に「これこれこういう理由で必要である」「こうすることが自分にとって合理的であり幸福に寄与する」という判断の根拠をつねに持ってほしい。

だから、それでも「どうしてもiPhoneが欲しい」というなら、娘とディベート大会をします。

娘はiPhoneのメリットとその理由、Androidのデメリットとその理由を挙げるでしょう。私はAndroidのメリットとその理由、iPhoneのデメリットとその理由をプレゼンします。

次に娘は私のロジックに反証するでしょうし、私も娘のロジックに反証します。中学生にもなればそのくらいはできるでしょう。

判定するのは私ほか家族全員ですが、「かわいそうだから」などという理由はナシで、あくまでどちらに説得力があるかです。

それで皆が納得すればiPhoneを与えるでしょうし、そうでないなら却下、もしくは日を改めてディベートのやり直し。

そこまでやれば、最終的にiPhoneを与えることになったとしても、本人も自分にとって有効な使い方をしっかり実践してくれるのではないかと期待します。

Next: 娘の希望が通らなくても虐待に非ず。妻もiPhoneを欲しがった場合は?



娘の希望が通らなくても虐待に非ず

厳しいようですが、「自分の頭で考える」「本人の努力と才覚で掴み取る」とはそういうことだと思っています(そういえば私もお小遣いは月額制ではなく、親に都度説明してお金をもらっていました)。

「それは虐待ではないのか?」という意見があるかもしれませんが、虐待とは「相手の思考力を奪い隷属させる行為」ですから、それとは正反対であることがおわかりいただけると思います。

そういえば先日、私の妻が「iPhoneに換えたい」と言ってきました(妻もAndroidです)。

それで「なんで?」と聞くと、「クラブハウス(Clubhouse:音声チャットSNSアプリ)がしたいから」というのです(現在はアップル版のみ)。

そもそもコンテンツが蓄積されない・自分の時間がリアルに消費されるような浪費型SNSに費やす時間があれば、直接的に収益につながる商談をしたり、永続財産となるブログを書いたりする方が生産的。

周囲がはしゃいでいることにつられ、そんなもののためだけにスマホを買い替えるのはバカバカしいので、速攻で却下しました(苦笑)。

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本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2021年2月16日)
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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