長期で見ると、金(ゴールド)価格は異常な動きを示しています。現在の他の生産物と比較してみると、金価格だけが安すぎるのです。これは何を意味しているのでしょうか?(『いつも感謝している高年の独り言(有料版)』)
※本記事は、『いつも感謝している高年の独り言(有料版)』2021年10月6日号の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
ゴールド価格は金融危機直後に急騰、その後しばらくは政府によって抑圧される
上の画像をご覧ください。 金価格について、2005年頃からの現在までのトレンドがわかります。
(ア)青色折れ線:金価格
(イ)薄緑色:金属及び金属製品のみの生産者物価指数
1982年当時の価格を指数100にしています。ただし、このグラフはリーマン危機の真っ只中(赤丸)に始点を置くために指数を4倍にしています。
(ウ)赤色:あらゆる物品の生産者物価指数
これも1982年当時の価格を指数を100として算出しています。ただし、このグラフも(イ)と同様に、リーマン危機の真っ只中に始点を置くために指数を4倍にしています。
下記は、私の妄想です。
まず金価格は歴史的に見て、金融危機直後には急騰するものですが、それは物価上昇の象徴的な姿であるがゆえに、中央銀行にとっては価格を抑えることが非常に重要なのです。
放置しておくと、庶民や投資家は資産保護のために現物ゴールドに殺到し、悪貨であるペーパー マネーや株券・債券が捨てられるからです。
リーマン危機直後も金価格は抑圧され、当時はすぐには上がらず、3年後くらいの2011年末頃から2012年のピークとなったのです。
過去10年間は、現在の超バブルの初期段階だったと私は考えています。これは何度も私の妄想として述べてきました。
その後、2018年くらいから超バブルの中期段階だったと考えています。そして2021年初頭からのパンデミックで、この中期段階は加速しているのだと思います。
リーマン危機直後と逆の動きを示す金価格
2008年頃を見てください。金価格が急騰しても、あらゆる物資の生産者物価指数や金属、金属製品の生産者物価指数は安定していました。
ところが、2020年以降は逆です。全物資の生産者物価指数は急激に上昇。金属及び金属製品の生産者物価指数は過去最高の急上昇。
ところが、金価格は反対に急落しています。まったく2008年当時と逆の光景です。
金鉱山と他の鉱山は、ほぼ同じ設備の採掘業です。それが、価格で見ると反対の動きなのですから、何らかの意図を感じます。
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叩き売りするしかない欧米と、現物金準備を増やす新興国
現在、ブリオンバンクは「バーゼル3」を眼の前に見て、自らの骨組みの脆弱化を認識しています。現物ではない、ペーパーゴールド骨格の骨粗鬆症で、骨組みがスカスカになっています。
それを現物と交換するには、できるだけ安い価格で中央銀行が提供するしか方法が無いのでしょう。
欧米の中央銀行は、金準備を叩き売りし、反対に新興国家の中銀はこれ幸いとばかりに、昨年以上に今年も現物金準備を増やしています。
これが我々の眼前で起きている舞台劇なのでしょう。私の妄想ですが。
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※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による