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2022年ドル円予想の無意味。高値・安値が当たっても個人投資家は儲からない=今市太郎

年末・年始にかけて、為替アナリストが来年のドル円相場を具体的に何円になると予想していたりします。しかし、それが当たったとしても、個人投資家の儲けにはまったく繋がりません。先入観を持たず、「相場の先は誰にもわからない」と肝に命じてトレードする必要があります。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)

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来年のドル円最高値を的中させても、まったく儲からない

いよいよ師走の相場に入りました。

この時期になりますと、金融メディアの依頼で多くの為替アナリストが来年のドル円相場の行方(具体的には高値と底値)を予想する企画が多く登場します。

個別のアナリストは積極的に発表したいとは思っていないのでしょうが、問われれば何か予想をしなくてはならないということで、毎回いろいろな予想が出てくることになります。

私ももちろん、参考程度には見せていただいております。

しかし、ドル円の2022年の最高値に関しては、たとえ120円なり130円なりといった水準を当てることができたとしても、レバレッジをかけて取引している個人投資家にとっては、そんなことだけではなんら儲けがやってこないという話をしておきたいと思います。

どういう経緯で推移して、いつ高値になるのかが最大の問題

たとえば、直近のドル円相場を考えてみてもよくわかる話です。

ここから年末に118円に到達すると予想したことが見事に当たっても、先週の暴落のように、その前に113円やら112円まで下落してしまっては、いったんは損切をせざるを得なくなります。

米ドル/円 日足(SBI証券)

ですから、愚直にbuy&holdを続けていれば、確実に儲かるという話ではないことがわかります。

つまり、2022年の相場で考えてみますと、たとえ120円だの130円だのという高値を見事に的中させることができたとしても、年初から相場がどう推移して、下落から上昇のタイミングがいつやってくるのかが克明に当てられない限り、年内のどこかで130円になりますなどという話は、申し訳ないですが、何の足しにもならないのです。

Next: 予想は無意味?専門家の声が個人投資家を惑わせる



専門家の予想が個人投資家を惑わせる

とくに為替には実需という相場を動かす大きな材料がありますし、機関投資家もドル円は一定の時期に買いを入れて来ることになります。

ですから、むしろいつも当メルマガでお伝えしているシーズナルサイクルとの乖離があるのかないのかを気にするほうが、よほど重要であることを改めて感じさせられます。

また上方向や下方向といった余分な刷り込みを受けることで、常に潜在意識として上昇や下落をはからずも想定してしまうことも大きな問題で、自在性を失いかねないことに陥るリスクも高まることになります。

まあ、それでも相場が上に行きそうだとか、下にいきそうだという朧気な感情は、裁量取引をするトレーダーは、多かれ少なかれ持っていくことになるのでしょう。

しかし、あまりそれに固執しないことのほうが、トレードには重要ではないかと考えています。

日本の企業では、もちろん収益算定のために想定為替レートを考えるところがほとんどですが、個人投資家は為替を使って事業の収益を決めるわけではありません。

そのため、むしろ上げるなり下げるなりのトレンドが出たときに、しっかりそれについていけるのかどうかが重要な課題となります。

チャーティストは上に行くともっと上、下ならもっと下と考えやすい

為替相場については、ファンダメンタルズの材料など一切考慮せずに、テクニカル分析だけで上だ下だと予想していく、いわゆる「チャーティスト」と呼ばれる人が想像以上に多いことがわかります。

まあ、そういうやり方でもしっかり儲けられるなら、別になんの文句もありませんが、それでも上方向に跳ねるともっと上昇すると確信したり、ひとたび暴落が起きると、さらに下落を想定する人が多いのには驚かされます。

また、自分で適当にカウントしたエリオット波動理論と、フィボナッチの組み合わせによる予想などが出てきますと、さすがに大丈夫なのかとかなり心配になるものです。

Next: 唯一の真理「相場の先は誰にもわからない」を頭に入れてトレードを



相場の先は誰にもわからない

皆さんの予測は勝手ですし、思い込みで取引されるのも、それがいいと思われるなら特段止めはしません。

ただ、そういう分析を参考にするかどうかについては、相当よくお考えになる必要があるのではないでしょうか。

誰かがこう言ったからその方向に売買してみるというのは、あまりにも稚拙でリスクの高いトレードだと思います。

この話、けっこう暴言のように聴こえるかもしれませんが、相場の先は誰にもわからないというのが、唯一の真理でありまして、来年はいくらまで上がるなどという雑念は、そもそも持たないに限るということを申し上げたいわけです。

私自身はもう何年もこうした境地で相場に向かってきています。

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  • 議会証言に飛び出したパウエルの宗旨替え発言はオミクロンを超える最大のリスク(12/1)

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  • 来年ドル円の最高値を当てられてもそれだけでは全く儲からないという件について(11/30)
  • 11月29日ロンドンタイムショートコメント(11/29)
  • 11月最終週相場分析(11/29)
  • 焼け野原相場は年末に向けて元に戻るのか(11/27)
  • 11月26日ロンドンタイムショートコメント(11/26)
  • ハロウィン買い中間成果発表~今年はあまり思わしくないのが現実(11/26)
  • 11月25日ロンドンタイムショートコメント(11/25)
  • ベストバイ株価急落から見えてくる米国の深刻なリテール集団盗難(11/25)
  • 11月24日ロンドンタイムショートコメント(11/24)
  • パウエル続投で沸いた相場だがここからの政策発動自由度は限られるというお話(11/24)
  • 11月23日ロンドンタイムショートコメント(11/23)
  • ットコインを大幅下落に追いやる最大のリスク・テザーの動向に厳重注意(11/23)
  • 11月22日ロンドンタイムショートコメント(11/22)
  • 11月第四週相場分析(11/22)
  • 個人投資家のFXトレードは業者との相対契約であることを再確認してみる(11/19)
  • ドル円は115円ジャストの巨大がバリアオプションが猛然と上昇拒絶中(11/19)
  • 11月18日ロンドンタイムショートコメント(11/18)
  • 本邦個人投資家のショートがドル円上昇の燃料となっている(11/18)
  • 11月17日ロンドンタイムショートコメント お詫びと訂正(11/17)
  • 11月17日ロンドンタイムショートコメント(11/17)
  • 米国CPIは過去の算定基準ベースならすでに15%という驚きの数字(11/17)
  • 11月16日ロンドンタイムショートコメント(11/16)
  • よほどの思い入れでもない限りトルコリラ投資からは全面撤退すべき状況(11/16)
  • 11月15日ロンドンタイムショートコメント(11/15)
  • 11月第三週相場分析(11/15)
  • 11月12日ロンドンタイムショートコメント(11/12)
  • 10月CPIからみえてきた米国のインフレは一時的ではない状況(11/12)
  • 11月11日ロンドンタイムショートコメント(11/11)
  • 自動売買ソフトウエア詐欺などに合わないために予め知っておくべきこと(11/11)
  • 11月10日ロンドンタイムショートコメント(11/10)
  • ハロウィン買い米株以外は不調~入りなおしが得策か(11/10)
  • 11月9日ロンドンタイムショートコメント(11/9)
  • イーロンマスク人類前人未到の33兆円超長者にみるテスラ株の異常な高さ(11/9)
  • 11月8日ロンドンタイムショートコメント(11/8)
  • 11月第二週相場分析(11/8)
  • 11月5日ロンドンタイムショートコメント(11/5)
  • ドルブルは終わったわけじゃない~ドル円年末までにどこまで上昇できるかに注目(11/5)
  • 11月3日ロンドンタイムショートコメント(11/4)
  • クロス円は上昇したがドル円は不発のFOMC政策発表(11/4)
  • 11月3日ロンドンタイムショートコメント(11/3)
  • FOMCのテーパリングは織り込み済みだがパウエルは続投どーするわけ?(11/3)
  • 11月2日ロンドンタイムショートコメント(11/2)
  • またしても兆候の表れはじめた米債のイールドカーブフラット化(11/2)
  • 11月1日ロンドンタイムショートコメント(11/1)
  • 総選挙結果は為替には全く影響なしからスタート(11/1)

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2021年10月配信分
  • 11月第一週相場分析前倒し編(10/30)
  • 10月29日ロンドンタイムショートコメント(10/29)
  • 原油、LNG価格高騰で年末に向けて貿易赤字拡大~悪い円安確定の相場(10/29)
  • 10月28日ロンドンタイムショートコメント(10/28)
  • 今年はハロウィンエフェクトのアノマリーに乗るべきか(10/28)
  • 10月27日ロンドンタイムショートコメント(10/27)
  • この冬とうとうグリーンフレーション到来か(10/27)
  • 10月26日ロンドンタイムショートコメント(10/26)
  • エルドアンに忖度して利下げのトルコ中銀も酷いが良くみりゃFRBも似たようなものという件について(10/26)
  • 10月25日ロンドンタイムショートコメント(10/25)
  • 10月最終週相場分析(10/25)
  • 10月22日ロンドンタイムショートコメント(10/22)
  • 号外・恒大集団辛くも9月23日分ドル建て利払い支払いでデフォルト回避(10/22)
  • 週末に迫る恒大集団のデフォルト~回避の手立てはほとんどない状況に(10/22)
  • 10月21日ロンドンタイムショートコメント(10/21)
  • バイデン政権は果たしてドル高をどこまで容認するか(10/21)
  • 10月20日ロンドンタイムショートコメント(10/20)
  • スマホオンリーのFXトレーダーは必ずほかのデバイスで取引できるよう備えるべき(10/20)
  • 10月19日ロンドンタイムショートコメント(10/19)
  • パウエルお前もか?2020年FOMC前に自ら株売却の暴露記事で議長再任は絶望的(10/19)
  • 10月17日ロンドンタイムショートコメント(10/18)
  • 10月第四週相場分析(10/18)
  • 10月15日ロンドンタイムショートコメント(10/15)
  • 岸田首相今度は円安対策実施か?(10/15)
  • 10月14日ロンドンタイムショートコメント(10/14)
  • 本邦市場では全く関心のない韓国デフォルトリスク~韓国民個人負債破綻にも注意が必要(10/14)
  • 10月13日ロンドンタイムショートコメント(10/13)
  • ドル円は11月後半まで上昇継続か(10/13)
  • 10月12日ロンドンタイムショートコメント(10/12)
  • 出してはすぐに引っ込める前言撤回の岸田首相のチキン野郎ぶりに辟易(10/12)
  • 10月11日ロンドンタイムショートコメント(10/11)
  • 10月第三週相場分析(10/11)
  • 10月8日ロンドンタイムショートコメント(10/8)
  • いよいよ世界が直面するスタグフレーションに備えよう(10/8)
  • 10月7日ロンドンタイムショートコメント(10/7)
  • ドル円は戻り売り、売りあがり厳禁の時間帯に(10/7)
  • 民主党左派エリザベスウォーレンのパウエル糾弾が凄まじい状況に突入(10/6)
  • そろそろファンドの45日ルール到来(10/6)
  • 10月5日ロンドンタイムショートコメント(10/5)
  • 米債金利上昇の裏で示現するドル買い需要~これでは当分ドル安は訪れない(10/5)
  • 10月4日ロンドンタイムショートコメント(10/4)
  • 10月第二週相場分析(10/4)
  • 10月1日ロンドンタイムショートコメント(10/1)
  • 恒大集団より深刻?中国の電力不足が世界経済に及ぼす甚大な影響(10/1)

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2021年9月配信分
  • 9月30日ロンドンタイムショートコメント(9/30)
  • 10月為替相場は仕込みのタイミングをはかる時期(9/30)
  • 9月29日ロンドンタイムショートコメント(9/29)
  • 米債金利の上昇はやはり投機筋の売り浴びせ仕掛け~勝つのはファンドかFRBか(9/29)
  • 9月28日ロンドンタイムショートコメント(9/28)
  • FRBの輩の市場予測など全くあてにならないという厳しいお話(9/28)
  • 9月27日ロンドンタイムショートコメント(9/27)
  • 9月最終週相場分析(9/27)
  • 9月24日ロンドンタイムショートコメント(9/24)
  • AIとロボティクスイノベーションがもたらす本格デフレ社会の驚異(9/24)
  • 上っツラの報道だけで無節操に下げたり上げたりする相場にうんざり(9/23)
  • 9月22日ロンドンタイムショートコメント(9/22)
  • 相場の大幅下落はリスク事象の事実の成否より参加者のセンチメントで決まるもの(9/22)
  • 9月21日ロンドンタイムショートコメント(9/21)
  • 中国恒大グループの影響で値を下げる豪ドル(9/21)
  • 9月第四週相場分析(9/20)
  • 9月17日ロンドンタイムショートコメント(9/17)
  • いよいよ佳境の自民党総裁選~結果にドル円は影響を受けるのか(9/17)
  • 9月16日ロンドンタイムショートコメント(9/16)
  • シーズナルサイクルとリアルな相場に出るギャップをどう理解すべきか(9/16)
  • 9月15日ロンドンタイムショートコメント(9/15)
  • 静かに進む日銀の黒田バズーカ巻き戻し~株も為替も逆回転がやってくる?(9/15)
  • 9月14日ロンドンタイムショートコメント(9/14)
  • カプラン、ローゼングレンの私的株投資爆益露見で強まる利益相反の問題(9/14)
  • 9月13日ロンドンタイムショートコメント(9/13)
  • 9月第三週相場分析(9/13)
  • 9月10日ロンドンタイムショートコメント(9/10)
  • 伝統的政策手法を打ち出すECBに対してそれができないFRB ~一体違いはどこにあるのか(9/10)
  • 9月9日ロンドンタイムショートコメント(9/9)
  • エルサルバドルでついに始まったBTC法定通貨 ~しかしこれ本当にうまくいくのか?(9/9)
  • 9月8日ロンドンタイムショートコメント(9/8)
  • 恒大集団破綻は中国のリーマンショック級大問題 ~だがなぜか金融市場ではあまり話題にならない不思議(9/8)
  • 9月8日ロンドンタイムショートコメント(9/7)
  • 大坂なおみ様、折角テニスでお金持ちなんだから仮想通貨になど興味をもつのはおやめなさいというお話(9/7)
  • 9月6日ロンドンタイムショートコメント(9/6)
  • 9月第2週相場分析(9/6)
  • 9月3日ロンドンタイムショートコメント(9/3)
  • SECゲンスラー委員長が息巻くPFOF全面禁止でロビンフッダーはどうなるか(9/3)
  • 9月2日ロンドンタイムショートコメント(9/2)
  • 市場が殆どリスクを織り込まない中国・習近平の共同富裕宣言(9/2)
  • 9月1日ロンドンタイムショートコメント(9/1)
  • 菅首相9月中旬解散断行で株価は慣例どおり上昇するものなのか?(9/1)

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image by:FreelySky / Shutterstock.com

今市太郎の戦略的FX投資』(2021年11月30日号)より抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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