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大阪だけ地価下落、なぜ東京・名古屋と差が付いた?コロナ禍の“三大都市圏”不動産分析(前編)=澤田聖陽

2021年基準地価が発表された。全国平均は2年連続の下落となったが、東京・名古屋はプラス、大阪のみマイナスという結果になった。コロナ下で不動産業界はどう変わったか。三大都市圏の現状を分析する。(『元証券会社社長・澤田聖陽が教える「投資に勝つニュースの読み方」』澤田聖陽)

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※本記事は有料メルマガ『元証券会社社長・澤田聖陽が教える「投資に勝つニュースの読み方」』2021年9月28日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

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2021年基準地価「商業地」の苦境くっきり

国土交通省から2021年の基準地価が発表された。

全用途の全国平均は前年比0.4%下がり、2年連続の下落となった。

三大都市圏では、東京圏が0.1%、名古屋圏0.5%のプラスだったのに対して、大阪圏は0.3%のマイナスと明暗が分かれた。

三大都市圏以外の地方圏全体では0.6%のマイナスであるが、札幌・仙台・広島・福岡の中核4都市は4.4%のプラスとなった。

用途別に見ると、商業地が総じて厳しく、全国の商業地の55%が下落した。インバウンドなどの急減で、商業施設、ホテルなどの需要は未だ低迷している証左だろう。

ここからは現状の不動産の傾向と今後の見通しについて、筆者の見方を記載していく。

インバウンド需要が消失。大阪圏がマイナスに

不動産は、「場所」と「用途」とが価値を決める2大要素になる。

まず場所だが、今回の地価発表でも表れているように、三大都市圏では、東京圏・名古屋圏に比べて、大阪圏の状況が厳しい。

大阪圏の状況が厳しいのは、インバウンド需要消失の影響が大きいのが原因である。

京都市も0.4%下落しており、関空を窓口に大阪・京都とセットで主にアジア圏からのインバウンドを取り込んできたのだが、コロナによって一瞬にしてほぼ需要が消失した。

大阪圏のホテルは過剰供給

大阪のホテルは、コロナ前から明らかに過剰供給気味であったと思う。

2016年時点で約5万室だった大阪のホテルは、2018年には約6万室と2割増加した。直近のデータはないが、2019年から2021年までに約8万室に増えたと予想されている。コロナ前のインバウンド需要が旺盛な時でさえ、供給過多という意見が多かった。

コロナ前の大阪の宿泊客の約40%がインバウンドだと言われており、需要がほぼ消失している現状では、稼働率は極めて厳しい状況になっている。

Next: 同じ大阪でもミナミは悲惨?一方、名古屋の健闘が目立つ

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