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見えてきたドル円130円超の悪夢〜世界の中心で「指し値オペ」と「円安公認」を叫ぶ日銀=今市太郎

日銀が「指値オペ」を29日から実施すると通告、ドル円は一時123円台に乗せるなど円安が加速しています。このまま日銀が「インフレより金融抑圧優先」の姿勢を貫けば、今週中にも125円超を試しにいくことになるのかも知れません。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)

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日銀「指値オペ」発表で円安加速

日銀は本日仲値への影響を避けたのか午前10時10分、固定利回り入札方式による国債買い入れ・いわゆる「指値オペ」を29日から実施すると通告しました。

これは2月10日通告、14日実施以来の2回目ということになります。

指し値オペとは、日銀が市場から国債を買い入れる際に、あらかじめ指定した利回りで、国債を買い入れるというやり方で、2016年9月21日に導入すると発表した「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」で採り入れられたものです。

今回の対象となるのは対象は10年債の363回・364回・365回で固定利回り格差は0.015%となります。

この結果、10年365回債の買入利回りは0.25%固定ということになります。

どのくらいの応募があるのかは29日を超えてみないとわかりませんが、前回を見れば金融機関からの応札はまたゼロで空砲ぶっぱなし状態になるのはほぼ確実な見通しです。

米ドル/円 日足(SBI証券提供)

結局はインフレより金融抑圧優先で「円安なんて知らん」という意思表示か

2月から立て続けに短期間で2回も日銀が「指値オペ」を実施するということは、とにかく「なにがなんでも金利を上げたくありませんから!」という強い意思が感じられます。

他の主要国は次々と利上げに踏み切って、中銀本来のインフレファイトに臨んでいます。

そのなかでも日銀だけは、アベノミクスの根幹政策であった金融抑圧で金利を限りなくゼロに近づけることで国債乱発にともなう国債費の上昇を抑制する政策をここからも堅持するということを、世界に向けて大声で叫んだことになります。

先週来の片岡審議委員の記者会見や黒田総裁の議会での発言をさらにオフィシャルなものにしたと言えばそれまでですが、この中銀はインフレ対応は一切行わないないし、ドル円などどこまで円安に振れてもお構いなしを公言したようなもの。

ここからドル円は益々上昇することにお墨付きを与えることになってしまったようです。

Next: 今週中にドル円125円超も。日本経済は円安に耐えられるのか?



今週中にドル円125円超も

インフレが来ても利下げで対応しろという超絶理論は世界の金融市場に驚きを与えたわけですが、黒田総裁も利下げこそしないものの、本邦のエルドアン的存在、黒ドアンとしてとてつもない異才を発揮しそうな状況です。

すでに123円に到達したドル円は今週、本当に125円超を試しにいくことになるのかも知れません。

FXトレーダーはせいぜい円安で儲けさせていただければ済む話ですが、こんな円安が進んでこの国の経済は本当に持つのでしょうか。

一億総貧乏社会がさらに進む未来がすでに鮮明に見え始めています。

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  • 世界の中心で円安公認を叫ぶ日銀~ドル円130円超の悪夢が見えてきた(3/28)
  • 3月最終週相場分析(3/28)
  • 3月28日ロンドンタイムショートコメント(3/27)
  • 3月25日ロンドンタイムショートコメント(3/25)
  • ロシアからの資源供給停止で代替提供国通貨が注目ポイントに(3/25)
  • 3月24日ロンドンタイムショートコメント(3/24)
  • 東電の無計画停電で大損しないために保有しておきたいデバイスとは(3/24)
  • 3月23日ロンドンタイムショートコメント(3/23)
  • 猛烈な上昇相場に押し目なしのドル円(3/23)
  • 3月22日ロンドンタイムショートコメント(3/22)
  • 黒田日銀が貫くインフレ無視・自国通貨安大歓迎というアンチテーゼで円ウルトラ安が到来か(3/22)
  • 3月21日ロンドンタイムショートコメント(3/21)
  • 3月四週相場分析(3/21)
  • 3月18日ロンドンタイムショートコメント(3/18)
  • ウクライナ戦争の陰で強烈に進む中国の通貨政策~ このままでは米国の基軸通貨は10年持たない(3/18)
  • 3月17日ロンドンタイムショートコメント(3/17)
  • FOMCの陰に隠れた日銀政策決定会合~黒田総裁は円安をけん制するかに注目(3/17)
  • 3月16日ロンドンタイムショートコメント(3/16)
  • ウクライナ起因の食料危機を欧州はどう乗り切るつもりなのか(3/16)
  • 3月15日ロンドンタイムショートコメント(3/15)
  • ロシアの外貨建て債務は予想以上に小さい~デフォルトでも世界経済への影響は軽微か(3/15)
  • 3月14日ロンドンタイムショートコメント(3/14)
  • 3月第3週相場分析(3/14)
  • 3月11日ロンドンタイムショートコメント(3/11)
  • 北京パラ終了で習近平はどこと戦争するつもりで人民軍に戦争準備を命令するのか(3/11)
  • 3月15日あたりの謎のドル円、日経平均下落特異日に要注意(3/11)
  • 3月10日ロンドンタイムショートコメント(3/10)
  • 3月15日あたりの謎のドル円、日経平均下落特異日に要注意(3/10)
  • 米欧大国のご都合で消え去りそうなビットコイン(3/10)
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  • 3月7日ロンドンタイムショートコメント(3/7)
  • 3月第二週相場分析(3/7)
  • 3月4日ロンドンタイムショートコメント(3/4)
  • プーチン正気か?欧州最大の原発崩壊ならば欧州大陸全般が崩壊滅亡の危機(3/4)
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  • 3月3日ロンドンタイムショートコメント(3/3)
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  • 3月2日ロンドンタイムショートコメント(3/2)
  • ウクライナの紛争が一定の終焉を迎えるまで新興国通貨は買わぬが正解(3/2)
  • 3月1日ロンドンタイムショートコメント(3/1)
  • 原油価格暴騰で国内実質インフレ率2%を超えると日銀は緩和措置を終了するのか(3/1)

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  • 2月28日ロンドンタイムショートコメント(2/28)
  • 2月最終週・3月第一週相場分析(2/28)
  • 2月25日ロンドンタイムショートコメント(2/25)
  • 豪ドルとNZドルのここからの動きについて(2/25)
  • 2月24日ロンドンタイムショートコメント(2/24)
  • ここからの米株の動きに注意~下落が加速すればまさかのFOMC利上げ延期も(2/24)
  • 市場は完全に日銀のマイナス金利巻き戻しを織り込み始めている(2/23)
  • 2月22日ロンドンタイムショートコメント(2/22)
  • 金融市場にとって足もとの別のリスクはロシアがウクライナ侵攻しないこと(2/22)
  • 2月第四週相場分析(2/21)
  • 2月18日ロンドンタイムショートコメント(2/18)
  • 日銀が突然始めた国債無制限買い入れ案の定応札なしで何の役にも立たず(2/18)
  • 2月17日ロンドンタイムショートコメント(2/17)
  • 低金利に慣れすぎた米国金融市場の利上げに対する過剰な反応が変!(2/17)
  • 2月16日ロンドンタイムショートコメント(2/16)
  • モデルナCEOが売り飛ばした保有自社株~これ明らかに何かのインサイダー確定(2/16)
  • 2月15日ロンドンタイムショートコメント(2/15)
  • 2月16日光明星節における北朝鮮の暴発に注意(2/15)
  • 2月14日ロンドンタイムショートコメント(2/14)
  • 2月第三週相場分析パート1(2/14)
  • 2月第三週相場分析パート2 ロンドンタイム編(2/13)
  • 2月11日ロンドンタイム休日特別版(2/11)
  • 日銀指値オペ実施を突然発表でドル円大幅上昇(2/11)
  • 2月10日ロンドンタイムショートコメント(2/10)
  • 米国1月度のCPIが発表されないとどうにも方向感がでない困った相場(2/10)
  • 2月9日ロンドンタイムショートコメント(2/9)
  • 米国の富裕層はすでに投資資金を市場から引き揚げ始めている(2/9)
  • 2月8日ロンドンタイムショートコメント(2/8)
  • 一段と近づくロシアのウクライナ侵攻 ルーブル暴落で為替はどうなるか(2/8)
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  • 岸田首相がダボス会議のスピーチで口にしたグレートリセットに広がる憶測(2/3)
  • 2月2日ロンドンタイムショートコメント(2/2)
  • ここからドル円が円高に振れるケースはどんなことが考えられるのか(2/2)
  • 2月1日ロンドンタイムショートコメント(2/1)
  • バイデンが示唆するロシアのSWIFTからの締め出しで金融市場でも大戦争勃発か(2/1)

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image by: SOUTHERNTraveler / Shutterstock.com

今市太郎の戦略的FX投資』(2022年3月28日号)より抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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