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早期リタイア「FIRE」族の破綻が急増するワケ。日本人向けリタイアプラン「FIRA60」で仕事と老後の充実を得る方法とは?=榊原正幸

いくらブームだからといっても、若い人が安易に「FIRE」に走ることには大きな危険が潜んでいます。そして、早期リタイアの現実は「若い時から死ぬまで一生、節約生活」ですから、まったく魅力的ではありません。日本人の正しいリタイアの仕方は、「FIRA60(Financial Independence, Retire Around 60=経済的自立と60歳前後の退職)」です。(『Prof.サカキの市況展望 プラス 教授に質問!』榊原正幸)

【関連】仕事は60歳でスパッと辞めよ。人生100年は嘘、死ぬ間際に後悔しない「FIRA60(ファイラ60)」の人生プラン=榊原正幸

※本記事は有料メルマガ『Prof.サカキの市況展望 プラス 教授に質問!』2022年1月4日号を一部抜粋したものです。興味を持たれた方は、ぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:榊原正幸(さかきばら まさゆき)
会計学博士、税理士、マネー評論家。青山学院大学大学院国際マネジメント研究科教授、東北大学大学院経済学研究科教授を務めた経験から「MOTO教授(元・教授)」の肩書きで活動。資産形成のノウハウを発信し、60歳前後でリタイアする「21世紀の日本を生き抜く方法」を自らの経験と株式投資のプロの視点から提唱している。

「資産運用」と「仕事」こそリタイアメントプランの両輪

私のメルマガでは原則として、PART1で日本の株式市場に関する市況を展望して参ります。それによって、株式投資による資産運用に資する内容を記述して参ります。配信は毎月1日で、号外も毎月1回は配信しています。

私自身が30年間、大学教授として東北大学と青山学院大学に奉職してきて、会計情報と株式市場について研究してきており、その研究に基づいた株式投資で成功を収めて参りましたので、その知見を皆様にもお伝えして参ります。このPART1は、日経平均株価の先行きに関する予測が主な内容です。

そして、PART2で、最新の書き下ろし原稿の連載や皆様からのご質問にお答えするといった内容を掲載しています。2021年6月の創刊から現在までは、日本人の正しいリタイアの仕方(「FIRA60 = ファイラ60」と命名しています)について記述してきています。

今回は、「特別増刊号」として、表題の内容で記述していこうと思います。

貧困になりたくないなら、「FIRE」ではなく「FIRA60」をめざせ

私は、「FIRA60(Financial Independence, Retire Around 60=経済的自立と60歳前後の退職)」を提唱しています。私自身が59歳と9ヵ月の時点で、定年までの任期を9年残して青山学院大学を自主的に退職して悠々自適の隠居生活に入ることができたので、そういった経験に基づいて、この「FIRA60」を日本人の正しいリタイアの仕方として提唱しています。

この「FIRA60」は、巷でブームの「FIRE(Financial Independence, Retire Early)と似たネーミングですが、その内容は「FIRE」とはまったく異なります。

「FIRE」を目指す人達は、30代や40代で「早く(できるだけEarlyに)」リタイアすることを望みますが、「FIRA60」は、ネーミングのとおり、「60歳前後の退職(Retire Around 60)」を提唱するものだからです。

むやみに早く仕事を辞めても、ろくなものではないのです。人生は長いので、社会への参加と社会貢献を「イヤじゃない仕事」によって実践し続けて、還暦前後くらいまでは、きちんと働いた方が有意義な人生です。そして、たっぷりとお金も貯めて、還暦前後くらいから一生安泰の楽隠居に入ることが「充実したバラ色の人生」であると確信しています。

いくらブームだからといっても、若い人が安易に「FIRE」に走ることには大きな危険が潜んでいます。そして、「FIRE」の現実は、「若い時から死ぬまで一生、節約生活」ですから、まったく魅力的ではないのです。詳しくは以下で述べて参ります。

Next: 5,000万円ではまったく足りない。杜撰な「FIRE」は不幸への一本道

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