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ウクライナ侵攻がこじ開けた「ビットコイン覇権」への道。ロシア制裁を追い風に価格上昇も=高島康司

予期せぬロシア軍のウクライナ侵略であったが、これが暗号通貨の歴史的転換点になる可能性がある。ウクライナは知られざる暗号通貨大国で世界的ハブを目指していた。一方、ロシアも「SWIFT」から排除されたことで暗号通貨での取引が増えることが予想される。暗号通貨の今後にどのような影響を与えるか注目しておきたい。(『ヤスの第四次産業革命とブロックチェーン』高島康司)

【関連】ビットコインの過激な楽観論「2038年に10億ドル突破」は本当か?試金石はエルサルバドル法定通貨化=高島康司

※本記事は『ヤスの第四次産業革命とブロックチェーン』2022年3月1日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

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世界が不意打ちを食らったロシア軍「ウクライナ侵攻」

誰も予想していなかったことが起こった。ロシア軍のウクライナへの軍事侵攻の開始である。すでに昨年の11月前後からロシア軍はウクライナ国境やベラルーシ、また南部のクリミアで大規模な軍事演習を実施していたが、これはロシアがアメリカやNATOとの交渉を有利に進めるための脅しであり、誰もウクライナへの軍事侵攻が実際に起こるとは予想していなかった。

侵攻後、アメリカとEU諸国を中心にロシアに対する厳しい経済制裁が発動された。そのなかでももっとも厳しいものは、おもにドルベースの国際決済に使われる銀行間送金システムの「SWIFT」からロシアの金融機関を排除することである。これは、イラン、北朝鮮、そしてベネズエラに適用されている処置だ。

資源大国であるロシアのような大国の「SWIFT」排除は、前例がない。ロシアは世界第3位の産油国であり、またヨーロッパの40%を越える天然ガスを供給する国でもある。そうしたロシアの排除は、エネルギー価格の高騰に苦しんでいるEU諸国を直撃することになるので、株式などの相場が大幅に下落することが予想された。

しかしながら28日には、ニューヨークダウやハイテク株中心のナスダックなどの相場は逆に上昇した。この理由はおもに2つあると見られてる。ひとつは、「FRB」を始め主要各国の中央銀行が計画した利上げが先送りされる可能性が高いと見られたこと、次にロシアの銀行の「SWIFT」からの排除は全面的なものではなく、ヨーロッパへの経済的な影響が小さいと思われる銀行に限定されたことなどが上げられる。これらは、市場の安心感につながった。

ビットコインを中心とした暗号通貨は下落

しかしながら、ビットコインなどの暗号通貨の相場は下落した。

最近ビットコインは、デジタルゴールドではなく、ナスダックの株価と連動したハイテク株に近い資産だとの認識が一般的になっていた。しかし今回、ナスダックはかなり上昇しているものの、ビットコインは下落している。

450万円台の後半で取引されていたビットコインの相場は、430万円台まで下落した(編注:原稿執筆時点2022年2月28日。ビットコイン相場はその後上昇、3月2日現在は500万円台で推移しています)。

Next: 現金よりもビットコインの流通量が多いウクライナの特別な事情

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